「民主主義は高齢者に乗っ取られた」...年金制度改革が頓挫し、政治が行き詰まる欧州各国
<骨抜きという次の脅威>
危機時に実施されたギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインの年金制度改革は、各国の財政をより持続可能な軌道に乗せたと評価されている。
しかしながら、そうした状況であっても改革が完全に、あるいは少なくとも完全でなくても、今後そのままの姿で存続できる保証はない。
イタリアとスペインは危機が終わった後で、段階的に改革の一部を凍結し、あるいは骨抜きにしてきた。
ポルトガルとギリシャでさえも、この10年間で救済措置と引き換えに年金給付額を大幅削減したのに、その後給付水準を引き上げ、さらなる増額も検討している。
非営利団体「欧州ユース・パーラメント」で年金に関する報告書を共同編集したジョアオ・シルバ氏は「政治的そして経済的な合意が広く形成できなければ、改革は長続きしない」と述べた。
改革の勢いはドイツ、アイルランド、英国でも弱まっている。英国は年金給付額の引き上げを算定する仕組みである「トリプルロック制度」に手をつけることすらできていない。
しかしながら、いくつかの国は突破口を見いだしたように思われる。
オランダは従来の確定給付型から在職期間中の積立額に応じて給付額が決まる確定拠出型に移行する改革が、10年に及ぶ交渉を経て幅広い支持を受けて承認された。
深刻な金融危機に見舞われたスウェーデンは1990年代に同様の改革を成立させた。改革は当時不人気だったが、今では国の経済的な安定のために不可欠だったと評価されている。
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