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増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?

2025年10月5日(日)06時30分
印南敦史(作家、書評家)

夜、ファミレスで親は飲み会、子どもたちは公園へ

タワマンで仲のいいファミリー層は一様に共働きで、子どもの幼少時からの付き合い。そうした母親たちが週末に集まり、夕方から食事を兼ねて2時間程度の飲み会を開くこともあるようだ。夕飯を終えてじっとしていられない子どもたちは、ファミレスに隣接する公園で走り回ることになる。


「わたしたちがみんなで飲んでいて、その間子どもを外で遊ばせるのを『放牧』なんて言っていましたね。でもまあ、子どもたちが近くにいれば安心という思いもあるのですが、あるとき外で遊んでいた子どもたちが迷子になりまして、困った子どもたちは自分たちで『すみません。わたしたち迷子です』と交番に駆け込んだことがありました」(55ページより)

もちろんこれは湾岸エリアに限定された話ではなく、本書では保育園児を同伴して飲み会をする西東京市の親たちの姿も明らかにされる。以下は、同市の認可保育園の園長の言葉だ。


「仕事で忙しいはずなのに、いや、忙しくてストレスが溜まっているからかもしれませんが、三歳になるかならないかという子どもたちを居酒屋に連れていき、親たちが固まって盛り上がっている。それも二三時くらいまで会は続くらしいのです」(96ページより)

なお、子どもとの接し方について語る際、「アウトソーシング」という言葉を用いる親も少なくないという。アウトソーシングとは「外部委託」「外注化」だが、ここで言うそれはつまり「丸投げ」である。

例えば、著者は子どもの受験校についての話し合いの場で母親から、「わたし、考えるのが面倒くさいから、先生が全部決めてくださいよ」と言われたことがあるそうだ。

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