最新記事
BOOKS

増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?

2025年10月5日(日)06時30分
印南敦史(作家、書評家)
小学生

写真はイメージです maroke-shutterstock

<なぜ最近の親は子育てを丸投げするのか。中学受験指導に30年携わってきた専門家が、取材をして掴んだ実態とは?>

児童虐待のひとつとして取り沙汰されるネグレクトは、一般的に、保護者が子どもの養育を怠ることを指す。多くの場合、その原因は親の経済的困窮や社会的孤立、若年であるための知識やスキルの欠如、親の精神的な疾患、障害などだとされる。
『ネオ・ネグレクト――外注される子どもたち』
しかし、『ネオ・ネグレクト――外注される子どもたち』(矢野耕平・著、祥伝社)のタイトルにもなっている「ネオ・ネグレクト」は、従来のネグレクトとは性質が異なるようだ。

この名称は、30年にわたって中学受験指導に携わってきた著者による造語である。


それは、「衣食住に満ち足りた生活をしていても、親がわが子を直視することを忌避したり、わが子に興味関心を抱けなかったりする状態」のことである。加えて、これが見られるのは貧困状態に喘いでいる家庭ではなく、むしろ富裕層といわれる家庭であっても見られると感じている。(16ページより)

そのため外から見ただけでは判断しづらく、ネオ・ネグレクトを受けている子どもたちも、自身が親から興味関心を抱かれていないことをなかなか自覚できないようだ。

興味深いのは、著者がネオ・ネグレクトの具体的事例を探るために取材を重ねた結果、この現象が東京湾岸のタワーマンションが林立するエリアでよく見られることが判明したという事実だ。

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正(24日配信記事)-英、ウクライナへの一連の支

ワールド

米国民の84%「小児ワクチンは安全」、トランプ氏の

ビジネス

上海市、住宅購入制限を緩和 需要喚起へ

ビジネス

JPモルガン、金価格の長期予測を4500ドルに引き
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    最高裁はなぜ「今回は」止めた?...トランプ関税を違…
  • 6
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 7
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 8
    2月末に西の空で起こる珍しい天体現象とは? 「チャ…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中