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ハマスがトランプ大統領の「和平案」に回答...人質全員の解放、ガザ統治権の移譲など一部に合意

2025年10月4日(土)13時36分
ハマスがトランプのガザ和平案に一部合意

イスラム組織ハマスは、トランプ米大統領が提示したパレスチナ自治区ガザ和平案に対する回答を仲介者に手渡したもよう。写真は8月、イスラエル側のガザ地区との境界付近で撮影(2025年 ロイター/Amir Cohen)

イスラム組織ハマスは3日、トランプ米大統領が提示した20項目のパレスチナ自治区ガザ和平案に対する回答を提示した。ロイターが確認した声明によると、ハマスは人質全員の解放やガザ統治権の移譲など、計画の一部に合意した。

一方、イスラエルと米国が要求してきた武装解除に応じるかどうかは明言しておらず、その他の多くの条件についても交渉を求めると表明した。

ハマスは声明で「ガザにおける戦争の終結、捕虜の交換、援助の即時搬入を求めるアラブ諸国、イスラム諸国、国際社会の取り組み、さらにトランプ米大統領の努力を評価する」とした。


さらに、トランプ大統領の提案に含まれる条件やその他の必要条件に基づき、「生存者と遺体を含む、全ての人質の解放を承認する」と表明。「アラブとイスラムの支援を受けたパレスチナの独立派(テクノクラート)組織にガザの統治を引き渡す」用意があるとした。

同時に「ハマスは仲介者を通じて詳細を協議するための交渉に直ちに参加する用意があることを確認する」とし、他の項目については協議をする考えを鮮明にした。

トランプ大統領は同日、ハマスに対し、米東部時間5日午後6時(日本時間6日午前7時)までに合意するよう圧力をかけた。しかし、ハマスが求めているように、和平案の条件を交渉するかどうかについては言及していない。

ハマス幹部はアルジャジーラに対し、イスラエルの「占領」が終わるまで、武装解除はしないと語った。

ガザの将来に関する問題については、ハマスも参加する包括的なパレスチナ国家の枠組みの中で議論されるべきとし、ハマス及びハマスが保有する武器に関するあらゆる問題について交渉に入ると言明した。


[ロイター]


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