最新記事
スポーツ

一体なぜ? 大谷翔平は台湾ファンに「高校生」と呼ばれている...意外な理由は「イチロー人気」とも関係が

OHTANI FEVER IN TAIWAN

2025年10月3日(金)19時13分
蔡亦竹(さい・いじゅ、台湾・高雄市在住の作家)

台北で展示された大谷翔平の「50 - 50」の記念球の写真を撮る人たち

台北で展示された大谷翔平の「50 - 50」の記念球の写真を撮る人たち(24年11月) AP/AFLO

好青年然とした顔立ちで、正直かつストイックに見える大谷は、台湾の野球ファンから「高校生」というあだ名を付けられている。日本のアニメ文化を愛してやまない台湾人にとって、二刀流の大谷はまるでマンガの世界から現れてきた主人公のような存在。

「こんな選手がいるわけない」と思っていたら、メジャーリーグに行っていい成績を上げ、気が付けばワールドチャンピオンになった。まさに「マンガでさえ読者に怒られる」ストーリーだ。

今や台湾では、野球に疎い人たちにすら大谷の名前は浸透している。昨年の通訳にまつわる賭博スキャンダルは台湾でも大きな話題になったが、「あの大谷君が賭博に関わるわけがない」というのが大方の意見で、まるで近所や親戚の坊やをかばうような感覚だった。

MLBで活躍し、ニューヨーク・ヤンキースでシーズン19勝を挙げた台湾出身の王建民(ワン・チエンミン)はいまだに人気が高い。台湾の野球ファンにすれば、同じく東洋人がメジャーでいい成績を上げるのはやはり痛快な話だが、それだけではない。

台湾人がイチローと大谷に感じる共通の特徴は、全てを野球に集中する「職人気質(かたぎ)」だろう。

イチローの現役時代、台湾人はそのスキルや「レーザービーム」よりむしろ、彼が野球に集中して生き、技術を上げるため自己管理と鍛錬に徹した話を好んだ。これは台湾人が持つ典型的な日本人観である。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で

ビジネス

NY外為市場=円急伸、財務相が介入示唆 NY連銀総
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択
  • 4
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 5
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 9
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中