「教会が安全な場所でなくなった」トランプ政権による拘束を恐れる移民信者たち
家政婦として働き、二児の母であるアギーレさんにとって、シカゴのリンカーン・ユナイテッド・メソジスト教会で毎週礼拝に参加するのは生活の大事な一部で、他の信者とともに聖餐を受け、礼拝後にコーヒーを飲みながらスペイン語で共通の悩みを語り合う時間を懐かしく思っている。
「教会に通い始めて以来、他の信者は家族みたいに思うようになった。(彼らに会えない)今はとても悲しい時間だ」とロイターに打ち明けた。
これまでのところ移民・税関捜査局(ICE)が実際に捜査のために教会へ立ち入ったケースは見られないが、東部メリーランド州では、ビザ(査証)で許可された滞在日数を超過していたとして牧師1人が、そして教会の駐車場内では複数人がそれぞれ逮捕された。
国土安全保障省の報道官はロイター向けの声明で、ICEは教会に強制捜査はしていないと述べ、教会内の捜査には特別な許可が必要になり、滅多に実行されないだろうと付け加えた。ただギャングのメンバーや殺人犯などの危険な重罪容疑者が教会に逃げ込んだ場合は、公共の安全を守るために逮捕が行われるとしている。
多くの移民の信者を抱える一部の教会は、一定区域を私有地として登録し、ICEが立ち入るためのハードルを引き上げた。私有地に踏み込むには礼状が不可欠だからだ。8人の牧師はロイターに、別の対策として米国市民の信者を見張り役として外に配置したり、移民らに自身の権利を知ってもらう研修を企画したりしていると語った。
西部カリフォルニア州オレンジ郡の教区では最近、在宅で聖餐式に参加できる仕組みを提供し始めた。