最新記事
米社会

「教会が安全な場所でなくなった」トランプ政権による拘束を恐れる移民信者たち

2025年9月14日(日)17時23分
オンライン聖餐式

イエス・キリストの最後の晩餐に由来し、信者たちがキリストの血と肉を象徴するワインとパンを分かち合う「聖餐式(せいさんしき)」は、キリスト教会の日曜礼拝における最も神聖な儀式の1つだ。写真はオンラインで式に参加するドリス・アギーレさん。8月31日、イリノイ州のシカゴで撮影(2025年 ロイター/Audrey Richardson)

イエス・キリストの最後の晩餐に由来し、信者たちがキリストの血と肉を象徴するワインとパンを分かち合う「聖餐式(せいさんしき)」は、キリスト教会の日曜礼拝における最も神聖な儀式の1つだ。しかし米中西部シカゴの郊外に住むドリス・アギーレさん(59)は今月7日、自宅の居間にある食卓に1人きりで座り、この儀式を行っていた。

トランプ政権が進める厳しい不法移民取り締まりの影響で礼拝に行けなくなり、教会が昨年12月下旬から始めたオンラインでのスペイン語による礼拝サービスを利用しているからだ。

バイデン前政権は、教会を学校や病院などとともに移民当局が捜査のために踏み込むことができない場所として指定していたが、トランプ大統領は就任初日にこの方針を撤廃。国土安全保障省は1月21日の声明で「犯罪者たちはもはや逮捕を逃れるために米国の学校や教会を隠れ場所にするのは不可能になる」と宣言した。

ロイターが取材した米国全土の牧師や教会指導者の話では、こうした政策転換に加え、連邦当局が単に滞在資格を満たしていないとの理由でより多くの人々を拘束する動きが出てきたことで、多くの移民は教会が安全な場所でなくなったと考え、足を遠ざけるようになった。拘束されるのを恐れて礼拝への参加者は減り、信者間のつながりを維持するのが難しくなっているとともに、彼らが頼りにしている教会による食料や法的助言の提供も妨げられているという。

ホンジュラス生まれのアギーレさんは、帰化した米国市民と結婚しているものの、自身は合法的な滞在資格はない。彼女の弁護士によると、25年間も米国で暮らしているにもかかわらず、アギーレさんは最初の裁判期日にうっかり出頭しなかったため強制退去命令が出され、その後訴訟を再開しようとしたが却下されてしまった。

資産運用
「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒れる今こそ投資家が目を向ける「世界通貨」とは
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ブラジル貿易収支、2月は42億ドルの黒字 予想と一

ワールド

イスラエル、ベイルート南部郊外の住民に退避指示 大

ワールド

イランに内戦発生リスク、中東諸国が欧州に懸念伝達=

ワールド

存立危機事態、他国から言われて判断することはない=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    「え、履いてない?」モルディブ行きの飛行機で撮影された、パイロットの「まさかの姿」にSNS爆笑
  • 3
    「ハリポタ俳優で終わりたくない」...ハリー・メリングが新作『ピリオン』で見せた「別人級」の変身
  • 4
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 5
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 6
    対イラン攻撃に巻き込まれ、湾岸諸国が存立危機
  • 7
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 8
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「旅客数が多い空港」ランキン…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中