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米印関係

トランプ関税にインド人が怒り心頭、ヨガマスターも「マクドナルドをボイコットせよ」

India Boycott of US Products Could See Millions Ditch McDonald's, Pepsi

2025年9月1日(月)18時50分
ヒュー・キャメロン

インドに妥協する気はない

インドの国会議員たちも、アメリカ製品のボイコットを求める草の根運動に加わっている。

上院議員のアショク・ミッタルは、8月初旬にトランプに公開書簡を送り、インドがアメリカ経済に果たしてきた貢献を強調しつつ、「アメリカ製品の購入に対する戦略的制限は、インド以上にアメリカにとって深刻な影響を及ぼすことになるだろう」と警告した。


これは、関税に対するインド側の対応として呼び掛けられている経済的自立、「スワデーシ」の一環だ。インドの経営者たちはSNSを通じて、国内産業の優先を強く訴えている。

モディも演説の中で「インドは、小規模起業家や農業従事者、畜産業者を決して見捨てない。どれほどの圧力がかかろうとも、それに耐えうる力を引き続き強化していく」と述べ、国内産業の保護と強化を打ち出した。

実際、ロイターは8月初め、モディが率いる与党インド人民党(BJP)と関係のある政治運動「スワデーシ・ジャグラン・マンチ」が、アメリカ製品のボイコットを呼びかける抗議活動をインド各地で組織したと報じている。

仮にボイコットに応じたのがインド国民の一部であっても、アメリカ企業に深刻な影響を及ぼしかねない。

アメリカ企業にとってインド市場は決して無視できる市場ではない。

例えば、インドの西部地域、南部地域でマクドナルドのフランチャイズ展開を行うウェストライフ・フードワールド社は、2024年度の収益が239億ルピー(約400億円)だった。また、ペプシコ・インディアの収益は今年初めの時点で約10億ドルに達していたとインドメディアが報じている。

アメリカ企業のインドビジネスに、ボイコットがどのような影響を及ぼすのか、今後の動向を見守る必要がある。

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