スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんらを乗せた数十隻の船団が8月31日、スペイン・バルセロナの港を出航した。イスラム組織ハマスを攻撃しているイスラエルによる人道支援物資の搬入制限を受け、深刻な食料不足に陥っているパレスチナ自治区ガザに支援物資を届けることを目指している。

数千人の支援者がバルセロナの港に集まり、船団を見送った。支援者の多くはパレスチナの旗を掲げ、「パレスチナを解放せよ」「これは戦争ではない、ジェノサイド(民族大量虐殺)だ」と叫んだ。

トゥンベリさんは「これは国際法を守れず、極めて暴力的で、従来の国際システムに挑む使命だ」 と出航する前に語りかけた。運営委員会のヤセミン・アカル氏によると、船団にはギリシャ、イタリア、チュニジアからさらに多くの船が合流する予定だと説明した。

運営委員会によると、イタリア北西部の港湾都市ジェノバでは、ガザ向けの食糧約250トンが集められた。支援物資の一部は31日に出航した船団に積み込まれたが、残りはイタリア・シチリア島の港湾都市カターニアに送られ、9月4日にガザへ向けて出航する船団に積み込む。

トゥンベリさんは6月に他の活動家と共にガザに向けて出航したが、イスラエル軍に拿捕(だほ)されて失敗していた。イスラエル軍は船を押収し、イスラエルから国外退去処分とした。イスラエルはこれまでにハマスへの武器密輸を阻止するために海上封鎖が必要だと主張しており、トゥンベリさんを含めて突破しようとする動きをハマス支援の宣伝工作だと非難している。

イスラエル当局は、戦闘のきっかけとなった昨年10月7日のイスラエル南部への攻撃でハマスが1200人超を殺害し、251人をガザに連れ去ったと主張。一方でガザの保健当局は、イスラエル軍によるガザへの攻撃で6万3000人を超える死者が出ており、大半を民間人が占めたと説明している。



[ロイター]
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