最新記事
米ウ首脳会談

米ウ首脳会談のトランプ・ゼレンスキー関係改善を、MAGAが「猛批判」している理由

Donald Trump Gives Assurance on Deploying US Troops to Ukraine

2025年8月20日(水)16時30分
シェーン・クロウチャー
トランプとゼレンスキー

トランプとゼレンスキーは平和裏に会談を終えたが Bryan Dozier-REUTERS

<2月の会談から打って変わって、平和裏に終わった米ウ首脳会談。トランプ支持者たちはその結果に納得いかないようだ>

今年2月、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ドナルド・トランプとの緊迫した会談を終え、ホワイトハウスを早々に後にした。会談は激しい口論で幕を閉じた。

しかし8月18日に行われた米ウ首脳会談において、ゼレンスキーは同じ部屋で笑顔を見せた。カメラの前で冗談を飛ばし、ヨーロッパの首脳たちが見守る中で、記者団からスーツを褒められる場面もあった。


この雰囲気の変化は極めて鮮烈だった。政権関係者は会談の空気を「素晴らしかった」「非常に生産的だった」と評した。2月の会談時にゼレンスキーと対立したJ・D・バンス副大統領も今回は目立たない存在に徹していた。

しかし、この雰囲気の変化はMAGA(トランプ支持層)にとっては好ましいものではなかったようだ。

トランプが突如としてウクライナに対してNATO型の安全保障の提供に前向きな姿勢を示したことは、トランプの熱心な支持者たちから鋭い反発を招いた。結果、アメリカで戦争関与のあり方をめぐる緊張が再燃することとなった。

元ホワイトハウス首席戦略官で「アメリカ・ファースト」運動の主導的存在であるスティーブ・バノンは、この安全保障協定案を激しく非難した。自身のポッドキャスト「War Room」で、この交渉をグローバリスト的な暴走と断じたが、トランプ本人の名指しは避けた。

「私は今、この侵略者たちに対してアメリカ国民への安全保障を約束したい。それが私の望む『安全保障』だ」とバノンは語った。

「この戦争の目的は、ウクライナを西側の国にすることだった。だが、そんなものには1セントの価値も感じない」

ガジェット
仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、モバイルバッテリーがビジネスパーソンに最適な理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

VW、30年までに1860億ドル投資へ 経費節減反

ワールド

ボルソナロ氏長男、26年大統領選に出馬しない可能性

ワールド

イスラエル軍、ヨルダン川西岸で投石のパレスチナ人に

ワールド

EU、16日に自動車産業支援策を発表か=業界筋
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中