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なぜあの人は出世するのか?...「社内政治の科学」が示した、日本企業のミドルマネジャーの実態

2025年12月8日(月)08時25分
木村琢磨(昭和女子大学教授)
上司

mapo_japan-shutterstock

<「同期のよしみ」が動かしていた? 社内政治とネットワーキングについて>

「ゴマすり」や「根回し」などの「社内政治」は日本企業だけではない。「権力と政治」は世界じゅうの企業やエグゼクティブにとっても重要項目。

企業の組織行動に関する最新研究を日本のビジネスパーソン向けに分かりやすく読み解いた、話題書社内政治の科学 経営学の研究成果(日経BP/日本経済新聞出版)の第1章「あなたの周りの社内政治」より一部編集・抜粋。


◇ ◇ ◇

筆者が行った日本企業におけるミドルマネジャーの社内政治行動に関する研究(Kimura, 2019)の一部をご紹介します。

ミドルマネジャーは自分の部署のリソースの確保や、他部署と連携したプロジェクトの責任を担う立場にあります。

こうしたミドルマネジャーの仕事は、社内の上下関係における上位者や同じ階層にいる人をも動かさなければならず、自分の職務権限では対応しきれない仕事です。そのため、ミドルマネジャーの仕事には、しばしば社内政治が必要となります。

日本企業らしい特徴として見られたのは、大企業における「同期」のネットワークの強さです。特に新卒一括採用が主体の会社では、同期入社組の結束が非常に強い傾向がありました。

より正確には、入社時期が違う同僚との間よりも「強く結束することが期待されている」「積極的に助け合うことが当然」という規範が見られます。

同期入社組のネットワークは非公式な人的ネットワークの中心となっています。そして、非公式な行動である社内政治行動は、「同期」ネットワークを活用して展開されます。

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