たとえば、部署Aの社員が部署Bに協力を求める場合、部署Aの社員がまず自分の直属の上司である部署Aのマネジャーに頼み、マネジャーから部署Bのマネジャーに依頼するのが公式のルートです。

このとき、部署Aのマネジャーと部署Bのマネジャーが新卒時に同期入社だと、協力が得やすい傾向があります。

さらに、部署Aの社員が自分の直属の上司を通さずに、非公式に部署Bに協力を依頼することもあります。このとき、部署Aの社員はまず、部署Bにいる同期社員に依頼をします。そして、その同期を通じて、部署Bのマネジャーに話を通してもらうという手順をとるのです(図1-1)。

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『社内政治の科学 経営学の研究成果』26頁より

特に日本的といえるのは、このとき、部署Bにとってメリットがない場合や、依頼してきた同期にさほど協力したくない場合でも「同期のよしみ」で断りにくいという規範的な意識があることです。

欧州の複数の国のビジネスパーソンに聞き取りをしたところ「同期入社組というのはもちろんいるが、日本ほど結束や協力が規範として求められるわけではない」という回答でした。

一方で、このような同期ネットワークを持たない中途入社の人たちの中には、積極的かつ戦略的なネットワーキングを行っている人がいました。

彼らは、入社時には社内にコネがないので、多くの場合、あまり社内での影響力がありません。そのため、社内で影響力のある人、自分と利害関係を同じくしている人などのキーパーソンをまず見つけ出します。

ジョブローテーションの影響も大きい