「15対0の完敗」──EUは安全保障を米国に依存する日本のように振る舞った
THE TRUMPING OF EUROPE
この観点からすると、今回の結果をフォンデアライエンのせいにするのは不公平かもしれない。彼女自身2つの「レッドライン」の制約を受けている。どんな犠牲を払ってもドイツの利益を守ることと、アメリカとのいかなる断絶も避けることだ。「どんな犠牲を払っても」何かを達成しようとするとき、受け入れられない屈辱などない。
一方、ヨーロッパの他の指導者たちは、現状に圧倒されているようだ。今日の世界の複雑さは彼らには手に負えないようで、どんな要求でも従ってしまう。彼らは、米建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリンの警告を忘れている。「わずかな安全のために本質的な自由を犠牲にする者は、どちらも得るに値せず、どちらも失う」
ザキ・ライディ
ZAKI LAÏDI
パリ政治学院教授。ジュネーブ大学などでも客員研究員を務める。専門はグローバル政治と国際関係論。ジョセップ・ボレル欧州委員会副委員長の特別顧問なども歴任。
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