インドがトランプの警告を無視? 追加関税をものともせず、ロシア産石油輸入継続か

インドはトランプ米大統領の警告にもかかわらず、ロシアからの石油購入を続けると、インド政府関係者2人が8月2日、ロイターに語った。写真はロシア・タタールスタン共和国のアルメチェフスク郊外にある原油生産施設。7月14日撮影(2025年 ロイター)
インドはトランプ米大統領の警告にもかかわらず、ロシアからの石油購入を続けると、インド政府関係者2人が2日、ロイターに語った。
トランプ氏は先月末、インドからの輸入品に対する25%の関税に加え、ロシア製の武器と石油の購入に対しペナルティーを科すと警告した。1日には記者団に対し、インドがロシアからの石油購入を停止すると聞いたと語った。
しかし、関係者はすぐに変更はないとし、「これらは長期の石油契約だ。一夜にして購入を停止するのはそう簡単ではない」と述べた。
また、西側諸国によるロシア石油部門への規制にもかかわらず、原油価格はインドのロシア産石油輸入によって抑制され、高騰を回避できていると正当化した。
関係者によると、イランやベネズエラの原油とは異なり、ロシア産原油は直接的な制裁の対象ではなく、インドは欧州連合(EU)が定めた現在の価格上限を下回る価格で購入しているという。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)も2日、匿名のインド政府高官2人の話として、同国政府の方針に変更はないと伝えた。
インド政府当局は、石油購入方針に関する公式コメントを求めるロイターの要請に応じなかった。
しかし、外務省のジャイスワル報道官は1日の定例記者会見で、インドはロシアと「安定した長年のパートナーシップ」を築いていると述べている。


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