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対北朝鮮制裁

中国が国連決議を「公然と無視」していた証拠が発覚...北朝鮮を助ける「違反ビジネス」の実態とは

North Korea Openly Defies Sanctions With Help From China

2025年8月1日(金)16時30分
ブレンダン・コール、ジョン・フェン
北朝鮮柄のドラム

国連の決議で対北朝鮮石油輸出量は制限されているが zmotions-shutterstock

<制裁対象となっている船舶を含めた北朝鮮の船が中国領海内に侵入したが、中国は見て見ぬふりをしている>

国連によってブラックリストに載せられた北朝鮮のタンカーが、中国の領海内で運行中に自らの位置を送信していたことが明らかになった。これは、北朝鮮への違法なエネルギー輸送を禁じた制裁を公然と無視する行為であり、北朝鮮船舶を発見した国が当該船舶を押収・検査するよう求める国連決議にも反している。

北朝鮮専門ニュースサイト、NKプロは7月31日、船舶追跡サービス「MarineTraffic」のデータを引用し、少なくとも5隻の北朝鮮タンカーが7月に中国の領海に入ったと報じた。そのうち4隻は国連制裁の対象だった。

本誌は中国外交部にコメントを求めている。


北朝鮮が石油を輸入すること自体が禁止されているわけではないが、国連によって年間50万バレルの上限が課されている。世界各国は北朝鮮への石油出荷量を国際機関に報告する義務がある。ロシアもまた、G7によって石油の輸出量に上限を設けられているが、制裁回避のための「影の船団」によってこれをかいくぐってきた。

NKプロが取り上げたデータは、北朝鮮船舶がロシア極東から石油を受け取っていたこと、そして今後も中国とロシアという最大の同盟国の庇護のもとで輸入を続ける可能性を示しており、対北朝鮮制裁が骨抜きにつながりかねない。

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