ガールズバーで睡眠薬、暴行、性交、そして1.5億円を奪われた...「歌舞伎町弁護士」が見た酷い事件
不動産業者、自称弁護士が登場し「劇場型犯罪」に
これだけでも酷い話だが、残念ながら話は以後も続く。小栗と美咲に加え、不動産業者の我孫子という男、社会福祉法人職員の佐藤という女性、そして自称弁護士の男性が加わり、事態は"典型的な劇場型犯罪"へ進展していくのだ。
小栗さんに対し、自称弁護士の国本は「不貞行為の賠償金」を請求。その横には自分を殴り続けてきた平山がおり、小栗さんは混乱と恐怖のあまり失禁してしまったという。
国本は不貞行為の賠償金として3000万円を要求した。口座にあった約5000万円をすべて奪われてしまった小栗さんにはとても支払える金額ではない。だが、このニセ弁護士は、でたらめな法律を盾に、払えなければ刑務所にブチ込まれるのだと脅した。小栗さんはパニックだ。
さらに平山が畳みかけた。あのアパートと土地を売れば、賠償金が払えるんじゃないか。賠償金さえ払えば、警察には逮捕されない。刑務所に入らなくて済む。ちょうど、ここに不動産取引のプロである我孫子もいるじゃないか。(32ページより)
こうして小栗さんは、わずか3年ですべてを失ってしまったのだ。しかも、話はこれだけで終わらなかった。次から次へと予想外の事態が起こるので、「ここから先は実際に読んでください」ということにさせていただくが(ただし当然のことながら、著者は弁護士としての知識を活かし、この複雑な事件を見事にまとめてみせているのでご心配なく)。
もちろんこうした話は、小栗さんのような被害者からすれば悲惨以外のなにものでもない。とはいえ他の事案も含め、そういった「あり得ない状況」に対峙していく著者の立ち回りは、本書の重要な軸でもある。つまり、弁護士という立場に基づいて書かれていることもあり、非常に説得力があるわけだ。
『歌舞伎町弁護士』
若林 翔 著
小学館新書
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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。ベストセラーとなった『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)をはじめ、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。最新刊は『現代人のための 読書入門』(光文社新書)。

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