パトリオットではロシアの空の攻撃の10%しか防げない
Can Patriot missiles help Ukraine turn the tide?
同システムは1980年代に本格運用が始まって以降、さまざまな進化を遂げてきた。初期のPAC-2ミサイルは破片を撒き散らす弾頭を使っていたが、PAC-3ではミサイルを直接命中させて破壊する方式で精度を高めた。構成によって差はあるが、最大迎撃半径は約160キロ、最大到達高度は約22キロ超に達する。
高い性能には高いコストが伴う。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)によれば、パトリオットの推定費用は1システムあたり約11億ドル。ミサイル1発あたりの価格も約400万ドルと高額だ。
CSISのマーク・キャンシアン上級顧問は本誌に対し、今回のアメリカとEUの合意の狙いは戦術よりも政治的な意味合いが大きく、ロシアに対して停戦協議に応じるよう圧力をかけることが目的だと指摘した。トランプも記者会見でこの点を強調していた。
トランプは記者団に『数十億ドル相当』の武器をウクライナに供与すると述べており、かなりの金額にのぼる。支援パッケージが実際にまとまるまでには何カ月もの時間を要するだろう、とキャンシアンは言う。「今後は数億ドル規模の装備品の支援パッケージが数週間おきに発表されることになるだろう」