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トランプ関税

小国レソトで「注文キャンセル、大量解雇」...トランプ関税50%で「国家非常事態宣言」

2025年7月10日(木)15時37分

レソトの繊維産業は、米国のアフリカ成長機会法(AGOA)に大きく依存している。AGOAは、一定の条件を満たすアフリカ諸国に対し、米国市場への無関税アクセスを認める米国の貿易政策だ。レソトはAGOAによる優遇関税措置を背景に繊維産業を発展させ、オックスフォード・エコノミクスによれば約4万人の雇用を生み出し、製造業輸出の約90%を占める同国最大の民間雇用セクターへと成長させた。

リーバイスやラングラーなどのジーンズを含め、AGOA経由で米国に輸出される繊維製品は、主に女性労働者によって生産され、レソトの国内総生産(GDP)20億ドル(約2900億円)の1割を占める。しかし、この輸出が今、消滅の危機に瀕している。

レソト政府は今週、関税をめぐる不確実性に起因する「高い若年失業率と雇用喪失」による混乱を理由に、国家非常事態を宣言した。


 

注文はキャンセル、大量解雇に

輸出向けジーンズを生産する会社アフリ・エクスポの経営者、テボホ・コベリさんは、工場の無人のミシンの列を指し、「誰もいないだろう」と嘆く。トランプ大統領は、関税発表の数日後、貿易相手国に交渉の猶予を与えるため適用を3カ月延期したが、レソトでは深刻な影響が生じた。

関税率が50%と見込まれたことで、米国の輸入業者の多くがレソトへの注文をキャンセルし、業界全体で大量解雇が発生。残る注文も採算割れのリスクをかかえる状況だ。

独立系の政治経済アナリスト、レフ・タエラ氏は、「企業は、対応能力を超えるコスト増を警戒し、追加の受注に二の足を踏んでいる」と指摘した。

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