ナイチンゲールの功労の源は「数学」にあった...イギリス政府を動かした画期的な「プレゼン方法」とは?

2025年7月8日(火)17時24分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

数学に興味を持っていたナイチンゲール

ナイチンゲールは看護師として有名な女性だが、その功労の裏には数学があった。

ナイチンゲールは1820年にイギリスの裕福な家庭で生まれ、幼い頃から読み書き、英国史、聖書、基本的な算術を学んだ。彼女は足を骨折した犬の世話や病人のお見舞いをした経験から看護師になることを夢見る。

しかし、母や姉からは強く反対された。なぜなら人の世話をすることは召使の仕事と考えられていたからだ。それでも彼女は看護師への夢を諦めきれず、こっそり父の支援を受けながら看護の勉強や病院訪問を行った。

看護と同時に数学にも興味を持っていたナイチンゲール。

のちに高名な数学者になるイギリスのジェームス・ジョセフ・シルベスターから個人教授を受けている。特に、当時生まれたばかりの学問分野であった「統計学」に深い関心を示し、ベルギーの数学者ケトレーに傾倒する。

自ら学会にも足を運び、統計学を学ぶナイチンゲールの数学的素養は高まっていった。

そんな看護と数学の両方を勉強していたナイチンゲールに転機が訪れる。

1853年にオスマン帝国とロシアの戦争が勃発した。その翌年にイギリスはフランスとともにオスマン帝国側として参戦したのだ。この戦争を「クリミア戦争」という。参戦開始からクリミア半島の寒さや黒海の変わりやすい気候に、イギリス軍の兵士たちは早くも士気が下がっていた。

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