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ナチスによる悲劇を「繰り返すわけにいかない」...イスラエル大使が語った、イラン攻撃の狙いと成果

2025年6月25日(水)18時45分
山田敏弘(国際ジャーナリスト)

ユダヤ人たちは理解できませんでした。なぜ私たちを非難するのか? 私たちは善良な市民です。私たちは2000年前にローマ人によって故郷から追放され、世界中に散らばりましたが、ここに住み、科学、文化、医学に貢献してきました。アルバート・アインシュタインなどユダヤ人は人類に貢献してきた。しかし、30年代には私たちは理解せず、気づかず、そして600万人のユダヤ人がヨーロッパ中のナチスらよって、大勢で、ガス室で、そして暗殺によって絶滅させられました。

私たちは同じことを繰り返すことはできないのです。反ユダヤ主義は根深いものです。世界中に存在します。アラブ諸国だけでなく、アメリカやヨーロッパでも見られます。ユダヤ人に対する純粋な憎悪です。なぜなら、ユダヤ人は成功しており、貢献しているからかもしれません。

イスラエルの一人当たりGDPを見てください。世界でも有数の高さです。私たちは科学、技術、教育に投資してきたからです。だから私たちはスタートアップ国家になったのです。人々は嫉妬し、憎み、ユダヤ人は悪い、ユダヤ人は経済で世界を支配していると言いたがるのです。そしてこれは間違っています。

──イランのことをどう見ていますか?

ハメネイ師が実質的に率いるイランの政権は国民を抑圧する政権です。1979年のイラン革命以降、彼らはヘアスカーフを着用しない女性を殺害し、人々を投獄し、拷問し、同性愛者を吊るして殺してきた。そしてこの抑圧的な政権は正当性を欲しがっています。

では、暴君としてどのように正当性を主張するのか。敵を探すのです。そして反ユダヤ主義や反ユダヤ人となるのです。ホメイニが1979年に権力を握ったときに、「大きな悪魔はアメリカであり、小さな悪魔はイスラエルである」と言いました。これこそイランが過去46年間、イスラエルの破壊、イスラエルの破壊を呼びかけ、説教してきた理由です。

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