トランプ大統領のイラン攻撃は「最大の賭け」...リスクも未知数
体制転換
一部のアナリストによると、これまでイラン指導部を排除するという狙いを否定してきたトランプ政権だが、イランが大規模な報復攻撃を行ったり、核兵器製造の動きを見せれば、「レジーム・チェンジ(体制転換)」を求めざるを得なくなる可能性もある。ただ、さらなるリスクをもたらす恐れがある。
ワシントンのジョンズ・ホプキンス高等国際問題研究大学院の中東アナリスト、ローラ・ブルーメンフェルド氏は、「体制転換や民主化運動を狙ったミッションの拡大には注意する必要がある」とし、米国はこれまで中東でそうした取り組みに失敗を重ねてきたと指摘する。
米国家情報会議の中東担当副国家情報官を務めたジョナサン・パニコフ氏は、イラン指導部は体制存続が危うくなれば、直ちに「不均衡な攻撃」に出るだろうと予想するが、その結果も留意する必要があると述べた。
ホルムズ海峡の封鎖は、結果として生じる原油価格上昇や米国のインフレ高進によってトランプ氏に問題をもたらすが、イランの数少ない同盟国の中国にも打撃を与える。
また、トランプ氏はすでに議会民主党からイラン攻撃を巡り強い反発に直面しているほか、他国への介入を好まない岩盤支持層の米国第一主義運動「MAGA」派からの反発にも対処する必要がある。
トランプ氏が米軍の関与を限定的なものにしようとしても、こうした紛争の歴史はしばしば米大統領にとって意図しない結果をもたらしてきた。