しかしながら、このような形での勝利は李と彼の新政権の今後に暗い影を落とす。少子高齢化や経済成長の鈍化が、保守派政権から進歩派政権に交代したことで解決するはずはなく、そもそも大統領選において李は具体的な解決策を示していない。

かつての看板であった福祉政策を降ろした彼に残っている武器は、どこかに敵を見つけてこれを徹底的に糾弾することだけに見える。だとすれば、李はこれからも敵を探し、戦う姿勢を見せることで、自らの存在意義を証明していくのだろうか。

それとも本家のドナルド・トランプ米政権が関税引き上げによりアメリカ経済が復活すると唱えているように、新たな幻を掲げてその場をしのいでいくのだろうか。あるいは、これまでの過激なポピュリストとしての姿を一変させ、国会における安定多数を利用した現実的な姿勢を見せるのか。

李在明政権はその出発から大きな課題を背負うことになりそうだ。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 世界宗教入門
2026年5月5日/12日号(4月28日発売)は「世界宗教入門」特集。

イラン戦争の背景にある三大一神教を基礎から読み解く[PLUS]宗教学者・加藤喜之教授の「福音派」超解説

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます