アメリカに広がる「AI学校」通常授業はわずか2時間、AIが教え、先生は「ガイド役」に

THE AI CLASSROOM

2025年5月31日(土)09時53分
ジョシュア・レット・ミラー(本誌米国版調査報道担当)

アルファ・スクールへの取材の様子 From AI to ABC’s: Texas School Puts a New Spin on Learning

このグループ活動は、AIを使った2時間学習の準備段階だ。

それが終わると、子供たちはそれぞれノートパソコンを使って、数学や英語、理科、社会といった通常科目の授業を各30分受ける。生徒の理解度に合わせて調整されているから、一般的な学校の5倍のスピードで1年間の課程を終えることができるという。

セーラは、大人になったら科学者になって、「顕微鏡を使うこと」をしたいと言う。この学校と他の学校の違いを聞かれると、「コンピューターで勉強すること」だと答えた。

「ここはとても特別な学校。よその学校もみんなコンピューターを使ったらいいんじゃない?」


ドナルド・トランプ米大統領は4月23日、アメリカの幼稚園から高校3年生までの学習にAIを活用することを命じる大統領令に署名した。未来を担う世代に、早くからテクノロジー関連の専門知識を付けさせようというのだ。

トランプが命じる教育改革

この大統領令は、「(AIは)現代の世界を急速に変えており、あらゆる業界でイノベーションを促し、生産性を高め、私たちの暮らしや働き方を再編している」ことを踏まえて、「AI教育に関するホワイトハウス作業部会」を設置するとともに、教育省の自由裁量で決まる教員研修助成事業で、AI研修を優先的に助成するよう教育長官に命じている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

世界の食料価格、2年半ぶり高水準 肉・砂糖・植物油

ワールド

トランプ氏、ウクライナ戦争の早期終結に悲観的 NB

ワールド

タイ新首相にアヌティン氏、タクシン派敗れる

ワールド

フィンランド、イスラエルとパレスチナの2国家解決巡
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 4
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 5
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 6
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 7
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 8
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 10
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中