アメリカに広がる「AI学校」通常授業はわずか2時間、AIが教え、先生は「ガイド役」に
THE AI CLASSROOM

アルファ・ブラウンズビル校で楽しそうに学ぶ6歳のセーラ NOAH CONBOY AND LANE KIMBRO FOR NEWSWEEK
<一人ひとりに最適化された学習プログラム、スピーチや金融教育、自転車の乗り方まで「ライフスキル」を学ぶ──AIを活用した革新的な教育モデルが、アメリカで革命を起こしている>
午前8時15分。テキサス州南部ブラウンズビルにあるその学校で繰り広げられていたのは、どの学校の始業時間前とも同じ、てんやわんやの大騒ぎだ。だが、幼稚園生から8年生までが通うアルファ・スクールは、普通の学校とはちょっと違う。いや、かなり違う。
通常科目の授業は、AI(人工知能)によって生徒一人一人に合わせて調整されたプログラムで行われ、午前中の2時間でおしまい。午後は、スピーチや金融リテラシー、あるいは自転車の乗り方など、「ライフスキル」を学ぶ。
一般の学校で教員に当たる人たちは、ガイド(案内役)と呼ばれ、子供たちの自立心を高める学びをサポートする。
アルファ・スクールは現在、テキサス州とフロリダ州に複数のキャンパスを有しており、ブラウンズビル校は2022年に開校した。その革新的なアプローチによって、学ぶことは楽しいという認識を子供たちに植え付けたいと、共同創設者のマッケンジー・プライスは語る。
キャンパスに足を踏み入れてみると、この学校のユニークぶりが一段とはっきりする。幼稚園では6歳のセーラ・シッパーが友達と協力して、床に貼られたカラフルなステッカーをたどって課題を解く、一種の論理ゲームに取り組んでいた。クラスメイトは彼女たちを囲んで歓声を上げている。
もし間違っても、「これで成長すればいい」と、ある少女が言う。別の男の子は「もっと協力しよう」と仲間に提案する。