最新記事
恋愛

「リベラルの女は嫌だ」「トランプ派の彼氏とか最悪」分断が進み過ぎたアメリカ、Z世代は「恋愛」も不可能に?

Gen Z's Gender Political Divide 'Creating Problems' for Their Dating Lives

2025年5月2日(金)19時44分
スザンヌ・ブレーク
殴り合う男女

Just dance-shutterstock

<政治的相性はもはや交際相手への「絶対条件」に?──政治的な立場が異なる相手との「デートを断る」若者だらけ、アメリカの行く末は?>

アメリカのZ世代の間では、性別による政治的な分断が進行しており、それが恋愛観にも影響を及ぼしている。

若年層の女性はリベラルに、男性は保守寄りに傾く傾向が強まる中、異なる政治的立場の相手と交際するケースは減少している。ミレニアル世代を含む上の世代は、政治的な違いを乗り越える姿勢を見せる一方で、Z世代は「交際の条件」として政治的相性をより重視しているようだ。

交際は長期的にはコミュニティとの結びつきや投票行動にも影響を及ぼす。そのため、デート行動に見られる分断は社会全体の分裂を深める可能性がある。

若者が政治的立場の違いを理由に交際を避ける傾向が強まれば、エコーチェンバーがより強化され、多様な意見を受け入れる機会が失われる、政治的妥協が難しくなる、といった事態を招きかねない。

社会学者や政治学者は、個人のアイデンティティが党派性と強く結びつくことで、異なる政治観を持つ家庭や地域社会において信頼が損なわれると警鐘を鳴らす。

今後10年で最大の有権者層となると予想されるZ世代が、政治的な違いを理由に交際や人間関係の構築を拒否するならば、アメリカの政治的な一体感はさらに脅かされるかもしれない。

注目すべきデータ

マッチングサービス「イーハーモニー(eharmony)」が2025年に実施した調査によると、Z世代の独身者のうち28%が「政治的な立場が異なる相手とのデートは断る」と回答。これはミレニアル世代の21%より高い。

大多数は政治的に異なる相手との交際を否定してはいないが、Z世代の方が政治的寛容性に欠ける傾向が読み取れる。

この傾向はより大きな文化的変化とも一致している。ニューヨーク・タイムズとシエナ大学が2024年10月に行った世論調査では、Z世代の男女間に51ポイントもの政治的な支持差が見られた。

18〜29歳の女性はカマラ・ハリス前副大統領を38ポイント差で支持する一方、同年代の男性は13ポイント差でドナルド・トランプ氏を支持。この性別による開きは、他の世代には見られないものだ。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中