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少子化

日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考えるのはなぜか

2025年4月23日(水)11時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

フルタイムで働く女性が結婚すると負荷が大きく増えることは、データで示せる。<表1>は、週の仕事・家事・家族ケア(育児)の平均時間を、未婚者と既婚者で比べたものだ。

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注目してほしいのは、未婚者と既婚者の違いだ。結婚すると負担が増えるのはどの国も同じだが、それが特に顕著なのは日本と韓国の女性だ。日本の女性を見ると、週当たり55.5時間から80.1時間へと大幅に増える。男性ではわずかしか増えないのとは対照的だ。

「これは、フルタイム就業者に限っているためだろう」と思われるかもしれないが、昔と違い、フルタイムでの就業を継続する女性が多くなっている。人手不足の中、社会の側もそれを求めているし、個々の家庭にしても、これからは夫婦二馬力でないとやっていけない。男性の腕一本で一家を養えていた時代など、とうに終わっている。

しかし結婚をしたら負担がこうも増えるとあっては、女性は結婚をためらうようになる。こうした忌避感は、子ども期から植え付けられている可能性もある。<図1>で見たように、子どもを欲しくないという女子生徒の割合は、他国と比べて高い。

未婚化・少子化が進んでいるのは、若者に経済的余裕がなくなっているためだけではないだろう。男女共同参画の時代にもかかわらず、家庭という私的な領域において、旧態依然の性役割慣行が残っているためでもある。これを是正しない限り、手取りを増やすといった政策の効果も限定的なものとなるだろう。止まらない未婚化・少子化は、「ジェンダー」の問題とも捉える必要がある。

<資料>
こども家庭庁『我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査』(2023年)
「ISSP 2012 - Family and Changing Gender Roles IV」

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