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学生スポーツでお馴染みの「スパルタンズ」...保護者が「名称変更」を求め学校を提訴、主張は正当?

Father Sues School Over Spartans Mascot: Symbol of 'White Supremacy'

2025年4月6日(日)13時35分
ジョシュア・レット・ミラー

使用禁止になった「インディアンズ」に代わり「スパルタンズ」

「検索していて初めに目に入ってきたことの1つは、古代のスパルタンは、自分たちが征服した先住民を奴隷にしたという記述だ」とモスは話す。「しかも、ただ奴隷にしただけではない。暴力的に奴隷にしたのだ。アフリカ系アメリカ人である私にとっては、人々を暴力的に奴隷にした兵士を、学区がチームのシンボルとして検討したことだけでも不快きわまりない」

ブレントウッド学区でチーム名を巡る論争が起きたのはこれが初めてではない。同学区は2024年、それまでのチーム名とマスコット「インディアンズ」の使用を取りやめざるを得なくなった。教育機関を統括するニューヨーク州理事会(New York State Board of regents)が同年4月に、公立学校におけるアメリカ先住民のイメージやロゴの使用を禁じたためだ。「スパルタンズ」は、「インディアンズ」の代わりに選出された名前だった。

娘2人の父親であるモスは、2500年前の都市国家スパルタで、女性が兵士になることが許されていなかったことにも憤りを感じていると語る。

それから2400年の時を経て、米陸軍は、1901年に「陸軍看護隊」を創設した。女性が兵役を認められた初の部隊として広く知られているが、あくまでも看護師としての従軍だった。

「女性が陸軍から締め出されていた時代から100年ほどしか経っていない」とモスは言う。「100年ほどしか経っていないのだ。そして娘が通う学区は、女性が陸軍に入れないことを子どもたちにほのめかすシンボルを望んでいる。このメッセージが子どもたちに伝わったら、いったいどうなるのか?」

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