最新記事
デンマーク

「バイキングの血が騒ぐ」 デンマークで広がるアメリカ製品ボイコット

Denmark Boycotts US Goods Over Greenland Threats

2025年3月21日(金)17時10分
シェーン・クロウチャー
グリーンランドへの野心を隠さないトランプが、デンマーク人の逆鱗に触れた

グリーンランドへの野心を隠さないトランプが、デンマーク人の逆鱗に触れた(グリーンランド・ヌーク 3月9日) Marko Djurica-REUTERS

<グリーンランド併合を度々主張するトランプに憤りを感じるデンマーク人。怒りの矛先はアメリカ製品へ>

デンマークでアメリカ製品の不買を求める運動が拡大している。この動きは、ドナルド・トランプ米大統領が、同国の自治領であるグリーンランドに対し支配権を主張したことを受けたものだ。


トランプへの抗議の意志を示すため、デンマークの消費者たちはアメリカ製品から距離を置くようになっている。さらには、アメリカと関係のある企業や団体にまでボイコット対象を広げる者も出てきている。

この不買運動は、アメリカの政策が攻撃的かつ干渉的であると感じているデンマーク人の激しい憤りを反映したものだ。トランプが必要であれば武力を用いてでもグリーンランドを獲得するという考えを示したことや、極右勢力と親しくしていることが、デンマークをはじめとした北欧地域で怒りを呼び起こしている。

デンマークを含むヨーロッパの消費者たちは、不買運動によって抗議の意思を示そうとしているほか、一部の大手小売業者も、ヨーロッパ製品を識別しやすくするといった取り組みを進めている。この動きは、ヨーロッパにおけるテスラの売上減少とも時を同じくしており、その理由として、テスラのCEOであるイーロン・マスクがトランプと政治的に近い姿勢を見せていることが一部で挙げられている。

例えば、デンマークの電気技師であり大工でもあるイェンス・オルセンは、アメリカ製の電動工具を、高価であるにもかかわらず買い替えることを検討しているという。「トランプの政策が、デンマーク人のバイキングの血を騒がせている」とも語っている。

インタビュー
現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

利下げには追加データ待つべきだった、シカゴ連銀総裁

ビジネス

米カンザスシティー連銀総裁「控えめな引き締め維持す

ビジネス

米クリーブランド連銀総裁、「引き締め的な政策」望む

ビジネス

インドCPI、11月は過去最低から+0.71%に加
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中