最新記事
帰還

「人々は嫌でも真実を知ることに...」ロシア体制への最大の脅威はウクライナ侵攻兵士の帰還

Putin’s War Veteran Threat

2025年3月11日(火)19時31分
ブレンダン・コール
プーチンとロシア兵

ウクライナ帰還兵がプーチン政権の火種になりかねない(22年) MIKHAIL KLIMENTYEVーSPUTNIKーKREMLINーREUTERS

<人的犠牲をいとわず受刑者まで動員したツケで、社会の大混乱がプーチン政権を脅かす。兵士たちがどっと帰ってくれば、クレムリンのプロパガンダはもろくも崩れ去る>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はナチス・ドイツに対する偉大な勝利から80年目に当たる2025年を「祖国防衛者の年」にすると宣言。

「ウクライナの非ナチ化」のために戦う兵士たちを、祖国を守る英雄として称揚しようとしている。だが皮肉にも、兵士の大量帰還はプーチンの支配を脅かすリスクをはらむ。

累々と横たわる同胞の死体を見てきた兵士たちがどっと帰ってくれば、クレムリンのプロパガンダはもろくも崩れ去り、ロシア社会は大混乱に陥りかねない。

米シンクタンクの戦争研究所(ISW)によれば、ロシア政府は既にこうしたリスクに気付いて対策を取りつつある。


プーチン政権は戦況を有利にするため人的犠牲をいとわずに人海戦術を続ける一方で、国内では膨大な数の死傷者が出ていることをひた隠しにしてきた。だが兵士たちが戻ってくればもはや事実は隠せない。

市民の怒りが爆発するのは時間の問題だろうと、安全保障の専門家は言う。

兵士の帰還は直接的に現体制を脅かすことはないにせよ、ソ連崩壊後の混乱期よりもはるかに深刻な治安の悪化を招きかねないと、反プーチン派のロシア人は本誌に語った。

プーチン政権はウクライナ侵攻後1年たった頃から退役軍人のための支援組織の設置に乗り出した。表向きその目的は帰還兵の社会復帰の支援だが、実際には帰還兵を政権の監視下に置くことだと、ISWは分析している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

高市首相が米国へ出発、「我が国の立場踏まえしっかり

ビジネス

米2月PPI、前月比+0.7%に加速 サービスが押

ビジネス

EUが新興企業育成支援案、最短48時間・100ユー

ワールド

米ビザ保証金、12カ国追加 対象50カ国に拡大
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 6
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 7
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中