最新記事
ロシア

炭鉱閉鎖が相次ぐロシアでプーチンがトランプとの鉱物協定に期待。ウクライナ併合地の鉱物資源も念頭

Russia Shutting Down Its Mines As Putin Woos Trump With Minerals

2025年3月6日(木)16時44分
ブレンダン・コール
鉱山労働者と会う若き日のプーチン

鉱山労働者は伝統的にプーチンの重要な支持基盤(2009年、シベリア東部ミールヌイのダイヤモンド鉱山で) REUTERS/Ria Novosti/Kremlin/Alexei Druzhinin

<トランプに鉱物権益を売りたいのはウクライナだけではなくロシアも同じ。しかもプーチンはウクライナで併合した地域の資源も売ろうと考えている>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、レアアース(希土類)資源開発についてトランプ政権との協力が可能であることを懸命にアピールしている。ロシア国内の鉱業は危機的状況に直面しているためだ。

経済紙コメルサントによると、石炭採掘が経済の柱となっているシベリア西南部のケメロボ地方では、8つの鉱山が、債務負担と需要の急減、西側による制裁の影響に苦しんで操業を停止している。

プーチンは、ホワイトハウスでドナルド・トランプとウォロディミル・ゼレンスキーの会談が決裂したのを受け、アメリカはロシアと取引すれば、ロシアの貴重な鉱物資源が獲得できる可能性がある、と主張した。

ロシアは世界第6位の石炭産出国だ。石炭産業のみに依存した多くの町で、何十万人もの労働者の生計を支えている。

プーチンが仕掛けたウクライナ戦争が引き起こした石炭産業の危機は、プーチンにとって政治的な問題となる可能性がある。

西側の制裁は、他のエネルギー部門よりも大きな打撃を石炭生産に与えている。

プーチンは、ウクライナでロシアが併合した地域に存在するレアアースやその他の資源を獲得するため、トランプ政権が米ロ双方の利益になるようなディールを望むのではないかと期待している。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続落で寄り付く、5万円割り込み足元400

ワールド

米軍、太平洋で麻薬密輸船を再び攻撃 3人死亡

ワールド

米、ロ石油大手の海外資産売却交渉を承認 買い手候補

ビジネス

GDP7─9月期は6四半期ぶりのマイナス成長、年率
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中