ロシア反体制派・ナワリヌイ氏の死から1年...なお続く支持者への弾圧
昨年8月、顔を隠した中年のロシア人女性がモスクワの赤の広場に入り、カラフルなゴムボールを撒き散らした。写真は、法廷に出廷するナワリヌイ氏の弁護士ら。1月17日、ロシアのペトゥシキで撮影(2025年 ロイター/Yulia Morozova)
昨年8月、顔を隠した中年のロシア人女性がモスクワの赤の広場に入り、カラフルなゴムボールを撒き散らした。
ボールには鉛筆で、「政治犯を釈放せよ」「私とあなたの自由のために」「やあ、ナワルヌイだよ」と書かれていた。最後のスローガンは、1年前に北極圏の刑務所で亡くなった反体制政治家アレクセイ・ナワリヌイ氏の言葉だ。
2週間後、当局は活動家ベラ・ノビコワ氏を逮捕。ボールばらまきの動画撮影が理由だ。モスクワの裁判所は「過激主義のシンボル」を表示したとして2万ルーブル(約3万3千円)の罰金と15日の禁固刑を科した。ロイターはノビコワ氏に弁護士を通じて接触したが、彼女はコメントを控えた。
この件について、ロシア政府はコメントに応じなかった。ナワリヌイ氏が存命中、政府は彼と支持者を西側の支援を受けたトラブルメーカーと非難していた。
ゴムボールで抗議をした女性は、行動の動機は故ナワリヌイ氏の追悼と、1968年のチェコスロバキア侵攻に対する旧ソ連時代の反体制派の抗議活動を称えるためだと語った。
身の安全のために匿名を希望した女性は、「変革を支持する人を鼓舞したかった」と語る。逮捕される懸念から抗議後すぐにロシアを離れ、欧州のほかの国に逃れた。「独裁体制」のもとで暮らしたくないという。
ナワリヌイ氏が47才で急死してから1年になる。今なお、ナワリヌイ氏や同氏の追悼に関連した行動に参加したことを理由に、何十人ものロシア国民が逮捕され、裁判を経て投獄されている。
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