最新記事
ウクライナ

戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開

Ukraine Videos Show Russian Troops Go Into Battle on Walking Sticks

2025年1月22日(水)16時14分
イザベル・バンブルーゲン

ウクライナ軍が今月に入ってロシアのクルスク州で新たな攻撃を開始し、ウクライナのドンバス州の戦闘も激化する中で、ロシア兵の死者は激増している。

死傷者数の推計には幅があり、ウクライナが公表する数字は大抵、西側諸国の数字を上回る。ウクライナと同様にロシアも通常、戦争による死傷者数を公表することはめったにない。

ウクライナ陸軍のオレクサンドル・シルスキー(Oleksandr Syrskyi)司令官は1月19日のインタビューで、ロシア側の2024年の死傷者は、死亡した15万人を含めて43万4000人だったと語った。ウクライナ側の死傷者は明らかにしなかった。

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領も、ロシアがウクライナとの戦闘を外国軍に頼っている事実を隠していると指摘。ウクライナ軍と戦うためにロシアに派遣され、戦争捕虜となった北朝鮮兵2人の映像を公開していた。

【関連記事】「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が「顔出し」で語る衝撃映像をゼレンスキー大統領が公開

ウクライナと韓国は2024年末、北朝鮮が推定1万人から1万2000人の兵士をロシア南部に派遣したと伝えた。

ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は1月19日、「今年の戦闘で(ロシアのプーチン大統領は)過去2年の戦争を合わせた以上に多くを失った」とウクライナの報道機関TSNに語った。

ウクライナの活動家セルヒー・ステルネンコ(Serhii Sternenko)は1月18日、「『障害者連隊』はこの半年の間に占領軍の間でかなり一般的になった。プーチンはどんな代償を払っても、もっと領土を奪いたい。もし、さらに多くの死者を送り込んで突撃させることができるのなら、そうするだろう」とテレグラムに投稿している。

この戦争による死者数は今後も増え続けるだろう。ドナルド・トランプのアメリカ大統領就任で和平交渉の可能性が浮上することから、双方その前に戦場で優勢に立つことを狙っている。

(翻訳:鈴木聖子)

ニューズウィーク日本版 ジョン・レノン暗殺の真実
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月16日号(12月9日発売)は「ジョン・レノン暗殺の真実」特集。衝撃の事件から45年、暗殺犯が日本人ジャーナリストに語った「真相」 文・青木冨貴子

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:中東ファンドがワーナー買収に異例の相乗り

ワールド

タイ・カンボジア紛争、トランプ氏が停戦復活へ電話す

ワールド

中国の輸出競争力、ユーロ高/元安で強化 EU商工会

ワールド

新STARTの失効間近、ロシア「米の回答待ち」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア…
  • 7
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中