マクロスコープ:住宅コスト高騰、国内消費の重荷に 「食品インフレより厄介」
東京スカイツリーの展望台から見えるオフィスビルと住宅。2021年8月18日撮影。REUTERS/Marko Djurica
(最終段落の表現を修正・追加して再送します。)
Yusuke Ogawa
[東京 26日 ロイター] - 不動産経済研究所は26日、2025年の首都圏(1都3県)の新築マンションの平均価格が前年より17.4%高い9182万円だったと発表した。建築資材高などを受け、2年ぶりに過去最高を更新した。住宅価格の高騰により購入を控えた人が賃貸市場に流入し、家賃も上昇傾向にある。ただでさえ食品をはじめとした物価高で実質賃金が目減りする中、若いファミリー層らの家計を一段と圧迫する懸念が強まっている。
<最高額は1部屋25億円>
東京23区の平均価格は21.8%増の1億3613万円に達したほか、神奈川県や埼玉県、千葉県もそろって上昇した。超高層物件の人気は依然として根強く、首都圏における1億円を超える「億ション」の販売は計5669戸と、前年(3648戸)を大きく上回った。最高額は東京都港区の「ブリリアタワー乃木坂」と新宿区の「クラッシィタワー新宿御苑」で、いずれも1部屋25億円だった。
26年の新築物件の供給数は、前年比4.7%増の2万3000戸に拡大する見通しだが、ライフルホームズ総研の中山登志朗チーフアナリストは「円安の進行により輸入資材費がかさんでおり、都心部を中心に物件価格は今年も上昇基調を続ける」と予測する。人手不足によって建設業界の人件費が高騰しているほか、省エネ性能引き上げの義務化もコストアップ要因になる。
業界団体の不動産協会が新築マンションの転売防止の対策を打ち出したが、「対象期間は物件の引き渡し前に限られるため、転売の抑止効果は限定的だろう」と中山氏は話した。
専門家の中には、「日銀の政策金利引き上げにより住宅ローン金利が上昇し、右肩上がりの不動産相場は終わりを迎える可能性が高い」(オラガ総研の牧野知弘代表)と指摘する声もある。ただ、値上げには大家・借主双方の合意が必要なことから、これまで変動が小さく「岩盤物価」とされてきた賃貸物件の家賃については、分譲価格に遅れる形で今後本格的に上がる見通しだ。
<20代の3割、家賃の値上げ請求経験>
新型コロナウイルス禍からの「オフィス回帰」を背景に都内への人口流入が進んでいることもあり、賃貸物件の家賃上昇が足元で目立ち始めている。不動産情報サービスのアットホームによると、23区内のファミリー向けマンションの平均募集家賃は、昨年11月に前年同月比10.0%増の25万1446円と、25万円の大台を超えた。
みずほリサーチ&テクノロジーズの河田皓史・チーフグローバルエコノミストは「金利上昇で物件オーナー側の資金調達コストが増えており、今後数年にわたり家賃はハイペースで上昇するだろう」と予想した上で、「食品インフレの場合は安価なプライベートブランド(PB)商品の購入などで軽減できる一方、家賃の値上げは現実的に受け入れざるを得ないためより厄介だ」と述べた。割安な部屋に引っ越しをしようにも、新居の仲介手数料や礼金、転居費用が発生してしまう。
賃貸仲介のハウスコムの調査では、都内のマンション・アパートに居住する20代社会人の3割以上が、「今までに貸主から家賃の値上げの請求を経験した」と回答した。「月収に対し、現在の家賃に少なからず負担を感じている」と答えた人の割合は約8割に達した。
不動産市場の上昇は、持ち家の人々にとっては資産効果をもたらすが、物件購入前の若い世代には重くのしかかる。河田氏は「家賃負担が重くなれば可処分所得が減り、国内消費にとってマイナスだ。若年層が広い部屋に移らなければ、家具や家電といった耐久消費財の新規需要も生まれにくい」との見方を示す。
<中道は補助金を公約、国内外で政治問題に>
高騰する住宅コストの解消は、衆院選でも争点の一つになっている。自民党は外国人の住宅や土地取得、所有者の把握について法律・ルールを見直す公約を掲げるほか、立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」は若者や学生らを対象にした家賃補助に取り組む方針を打ち出した。海外でも米ニューヨーク(NY)市の新市長に、「家賃値上げの凍結」を訴えたゾーラン・マムダニ氏が就任するなど、国内外で政治問題になっている。
もっとも、ライフルホームズ総研の中山氏は「国内には既にたくさんの公営住宅があり、その多くは老朽化している。リノベーションし、良質な賃貸物件として再供給するほうが、補助金よりも現実的ではないか」と指摘。エコノミストの間では「特定のセクターへの補助金は慎重であるべきだ。住宅コストの上昇分をカバーできるだけの『賃上げ』を企業に促し、実質賃金を高めることの方が解決策として適切だろう」(河田氏)といった意見が少なくない。
(小川悠介 編集:橋本浩)
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