最新記事
教育

AI時代にこそ必要な「非認知能力」の伸ばし方とは?笑い飯・哲夫と考える、これからの教育に必要なこと

2024年12月25日(水)11時30分
※JICAトピックスより転載
世良マリカさん、笑い飯・哲夫さん、浜野隆さん

左から世良マリカさん、笑い飯・哲夫さん、お茶の水女子大学教授の浜野隆さん

<世界と日本の教育の現状、海外で注目される日本の「特別活動」、教育格差を乗り越えるカギ──自身で塾を運営する笑い飯・哲夫さん、教育政策や子どもの非認知能力に詳しいお茶の水女子大学の浜野隆教授、元中学校教諭のJICA人間開発部・田口晋平課長とともに、これからの教育に必要なことを考える>

世界が直面しているさまざまな社会問題について、タレント・大学生の世良マリカさんと一緒に考える「世界をもっとよく知りたい!」。第4回のテーマは「教育」。スペシャルゲストにお笑いコンビ「笑い飯」の哲夫さんを迎え、お茶の水女子大学教授の浜野隆さん、JICA人間開発部の田口晋平課長にお話を聞きました。

(動画と記事でお伝えします)

>>●動画はこちら

世界の教育・日本の教育の現状とは?

世良マリカさん(以下、世良) 哲夫さんは塾を運営されているんですね。

笑い飯 哲夫さん(以下、哲夫) 激安塾なんですけどね。以前吉本の社員さんが「子どもの塾代が月に6〜7万かかる」と言ってて、そうなるとお金持ちの家の子しか塾に行かれへんなと。自分が小学生のときは近所のおばあちゃんが3000円の月謝で教えてくれたんですよ。それでいろんな家庭環境の子が通える塾を始めました。

世良マリカ

世良マリカ(せら・まりか) モデル・タレントとして活動。2002年神奈川県生まれ、慶應義塾大学総合政策学部に在籍中

笑い飯・哲夫

笑い飯・哲夫(わらいめし・てつお)  2000年にお笑いコンビ「笑い飯」結成。関西学院大学哲学科卒業。2014年から低料金の補習塾「寺子屋こやや」を運営

JICA広報部 伊藤綱貴さん(以下、伊藤) 世良さんは「子どもの教育が進んでいる国」というと、どこをイメージしますか。

世良 香港、シンガポールといったアジアの国々ですね。

JICA人間開発部 田口晋平課長(以下、田口) そうなんです。2022年の国際学力調査(PISA)ではシンガポールが1位で、「シンガポールMath」という算数学習が特徴的です。例えばバーに100と書き、それを2つに割ると50になるというように、視覚的・具体的な「バーモデル」で数学的な思考を深めるものです。

世良 日本の教え方とはどう違うんですか。

田口 実は、日本もPISAで世界トップレベルの結果が出ています。「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「読解力」の3分野すべてで、前回の2018年の調査よりも平均点と順位が上がっています。算数学習に関して言うと、日本の小学校でもシンガポールと同様に、おはじきセットなどを使って具体的に数学的概念を教えます。そして日本の算数学習の特徴は、自ら問題を解く方法を見つける「問題解決型学習」が行われていることです。シンガポールでも問題解決型学習は行われていますが、子どもたちが先にいくつかの解法を学び、その中から適切な解法を選んで問題を解くやり方です。一方で日本は、子どもたちが試行錯誤しながら自ら解法を探し出す、より自由な学び方です。

newsweekjp20241216115519-80e74eea14132fdca44750fbf306e2242342fa39.jpg

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日鉄、純損益を600億円の赤字に下方修正 米市場不

ビジネス

ユニクロ、10月国内既存店売上高は前年比25.1%

ワールド

中国、対米関税を一部停止へ 米国産大豆は依然割高

ビジネス

午後3時のドルは153円半ば、株大幅安で一時円高
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中