最新記事
パワーポリティクス

韓国大統領「全員拘禁しろ」戒厳部隊の3つの作戦チームによる逮捕対象には与党代表も含まれていた

2024年12月10日(火)10時44分
ミッチ・シン(ディプロマット誌)

韓の発言を受けて、同代表に近い与党議員の中には弾劾訴追への賛成を検討する動きが出た。大統領の職務と権限を直ちに停止するには、全300議席の国会で3分の2の賛成票が必要だ。

地元メディアが韓の尹に対する姿勢の変化を報じた数時間後、尹の求めに応じて両者は大統領府で会談した。だが会談後、韓は記者団に対し、大統領の職務停止を求める立場を変えるような尹の発言はなかったと述べた。韓はこの2日間の大統領との会談で、尹は非常戒厳宣布という事態の重大さを理解していないと確信したとみられる。


韓は党を崩壊から救うには尹と決別するしかないと考えているのかもしれない。2016年、国民の力党の前身に当たるセヌリ党は当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追に反対したが、一部の派閥が離脱して弾劾を支持。党は大きなダメージを負った。

国防相代理の金善鎬(キム・ソンホ)次官は国会に対し、戒厳部隊に指示を出したのは辞任した金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相だと語った。戒厳部隊の司令官である朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長は、部隊が国会で作戦に従事していることを知らなかったと述べた。

国会に派遣された戒厳部隊を指示・管理していた尹政権の中心人物が前国防相だったことを示す証言だ。戒厳部隊が中央選挙管理委員会の建物に入ったという現地報道もある。金国防次官は、尹政権の違法な非常戒厳宣言に責任を負う3人の軍司令官を職務停止処分にした。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

マクロスコープ:年内の利上げ観測揺さぶりも、政治情

ビジネス

VW、小型電動SUV試作車披露 ミュンヘン自動車シ

ワールド

閣僚の総裁選立候補は当然認められる、妨げる理由ない

ビジネス

実質GDP4━6月期、年率2.2%増へ上方修正 個
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
  • 3
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接近する「超巨大生物」の姿に恐怖と驚きの声「手を仕舞って!」
  • 4
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 5
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 6
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 9
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中