最新記事
荒川河畔の原住民⑫

日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う

2024年11月20日(水)20時00分
文・写真:趙海成

「日本ではホームレスを相手にしたい人はあまりいないし、彼らのことを本や記事にする人も少ない。一般的な日本人は、彼らがホームレスになったのは自己責任だと考えていて、国の補助金で生活している人を軽蔑する態度を取っている」と、友人は教えてくれた(実際には、ホームレスの多くは生活保護を受けず、働いて自分を養っている)。

この友人はさらに分析した。

「現代社会に生きる多くの人はストレスを感じている。耐えられないと感じたとき、極端な人は自殺を選んでしまうが、代わりに、ホームレスになることを選ぶ人もいる。ホームレスになることで、その人は気持ちが楽になるかもしれない。しかし、それはあくまでも彼ら自身の話であり、傍観者である人々の普遍的な態度は『無関心』だ」

日本人は他人のことを詮索しないが、その態度には弊害も

他人に迷惑をかけないように生活し、他人のことをあれこれ詮索しないのも、日本人の性格の1つの特徴だと思う。

しかし、私はやはり、そうした態度に懸念を抱いてしまう。

無関心な態度とホームレスを軽蔑する風潮は、暗黙のうちに子供たちに伝染する。そこから変異し、極端な行為を引き起こす可能性もある。日本各地で頻発してきた少年たちによるホームレス襲撃事件は、社会に警鐘を鳴らしているのだ。事件の若い加害者たちは、驚くほど残虐で凶悪である。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

シリア政権崩壊、ロシアの影響力に危機 駐留基地存続

ビジネス

実質GDP2次速報、7─9期年率1.2%増に小幅上

ビジネス

日経平均は反発で寄り付く、米雇用統計を無難通過 伸

ワールド

イランのウラン生産加速、重大な懸念 交渉再開宣言と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 2
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能の島」の内部を映した映像が話題 「衝撃だった」
  • 4
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 5
    キャサリン妃が率いた「家族のオーラ」が話題に...主…
  • 6
    電力危機の救世主は「廃水池」だった...「浮くソーラ…
  • 7
    2027年に「蛍光灯禁止」...パナソニックのLED照明は…
  • 8
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 9
    白い泡が大量発生...インド「下水汚染された川」に次…
  • 10
    シャーロット王女の「史上最強の睨み」がSNSで話題に
  • 1
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 2
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 3
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社員にはなりにくい」中年自衛官に待ち受ける厳しい現実
  • 4
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 5
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 6
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 7
    【クイズ】核戦争が起きたときに世界で1番「飢えない…
  • 8
    ついに刑事告発された、斎藤知事のPR会社は「クロ」…
  • 9
    シリア反政府勢力がロシア製の貴重なパーンツィリ防…
  • 10
    肌を若く保つコツはありますか?...和田秀樹医師に聞…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 9
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 10
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中