最新記事
米大統領選

大統領選当日は市場大荒れか...米金融機関が備え着々

2024年10月25日(金)07時49分

同行は、次期大統領の決定が遅れるケースで必要になる従業員の調整も行う計画だ。

関係者によると、個人投資家を顧客とする大手証券の1社は24時間ずっと投資家からの質問に答え、レディットなどのソーシャルメディアで何か予想外の事態が起きていないかを確実にモニターする人員配置を整えつつある。


 

Cboeグローバル・マーケッツのクリス・アイザクソン最高執行責任者(COO)は、新型コロナウイルスのパンデミックや2020年の米大統領選、直近では円キャリートレードの巻き戻しといったこれまでのボラティリティーを拡大させるイベントで、同社のシステムが試されてきたと振り返る。

アイザクソン氏は「われわれは(ボラティリティーが)過去最高の少なくとも2倍になっても処理できる市場を築いている。だから選挙に向けた当社の強じん性と事業継続力にはかなり良好な手応えを感じている」と述べた。

その上で土日を含めて24時間対応に見合う人員をそろえるとともに、米国の重要な時間帯の監視要員も増強することになるとしている。

バンク・オブ・アメリカのデータに基づくと、株式投資家の不安心理の度合いを示すCboeのボラティリティー・インデックス(VIX、恐怖指数)は、米国で選挙が予定される年は7月から11月にかけて25%程度高くなる傾向がある。

一方、今年のVIX先物は11月5日を含む期間の取引水準が、過去の年ほど高くなっていない。

それでも多くの市場参加者は気を緩めていない。

関係者によると、ある米大手証券会社は新人研修の日程をずらしたり、電話応対の人員を減らさないように会議などを制限したりしている。

メジロー・カレンシー・マネジメントのジョー・ホフマン最高経営責任者(CEO)は、流動性が枯渇してしまうストレス発生時には、銀行から資金を融通してもらえるルートを確保しておくことが大事になるとの見方を示した。

新興ネット証券ロビンフッドなどに翌日物取引のコンピューター取引システムを提供しているブルーオーシャン・テクノロジーズのブライアン・ハイマンCEOは、取引量とボラティリティーの拡大に備えているとしつつも、どの資産でそうした事態が起きるかは予想できないと付け加えた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本のCEO
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月1日号(6月24日発売)は「世界が尊敬する日本のCEO」特集。不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者……その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国経済は高成長維持へ、消費主導モデルへの移行を支

ビジネス

テスラ、5月欧州販売は約28%減 5カ月連続マイナ

ワールド

イラン反体制派NCRI指導者、国民に体制打倒呼びか

ビジネス

豪5月CPIは+2.1%に鈍化、コア3年半ぶり低水
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 3
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 4
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 5
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 6
    細道しか歩かない...10歳ダックスの「こだわり散歩」…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 9
    「温暖化だけじゃない」 スイス・ブラッテン村を破壊し…
  • 10
    イスラエル・イラン紛争はロシアの影響力凋落の第一…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中