最新記事
米大統領選

大統領選当日は市場大荒れか...米金融機関が備え着々

2024年10月25日(金)07時49分
ニューヨーク証券取引所

11月5日の米大統領選当日とその直後は、選挙結果を巡って市場が大荒れとなり、取引量が急増する恐れがある。ニューヨーク証券取引所で9月撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)

11月5日の米大統領選当日とその直後は、選挙結果を巡って市場が大荒れとなり、取引量が急増する恐れがある。そうした事態に備え、銀行や証券会社、資産運用会社、取引所などは人員を増強して対応に万全を期す構えだ。

政治イベントが市場参加者に性急なポジション巻き戻しを強いるような不安をもたらし、市場リスクや流動性リスクなどが高まって、取引システムをはじめとする市場インフラに重圧がかかってもおかしくない。


 

今回の大統領選は民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領の支持率がきっ抗し、7つの激戦州を制した方が当選しそうな際どい勝負となる見通し。

こうした中で投資家やトレーダーの間では、すぐには勝者が決まらない展開もあり得るとの見方が出ている。また2020年にトランプ氏が選挙結果に異議を申し立てたように、今回も同様の事態が起きるリスクもある。実際トランプ氏は、自身が敗北した場合に結果を受け入れない可能性を示唆している。

米金融ノーザン・トラストの資本市場部で顧客対応の地域責任者を務めるグラント・ジョンジー氏は「市場の立場で、少なくとも1週間は誰が次期大統領か分からない状況が続くシナリオへの準備を進めている」と説明する。「取引量と変動幅の増大に十分対応し、(従業員の)休暇日程を管理するとともに、選挙関連の情報が入ってくる中で日中の相場乱高下にも備える態勢を確保する」と話す。

市場参加者は、ボラティリティー(変動幅)の急拡大で不意打ちを受けないよう万全を期そうとしている。近年で想定外の結果をもたらした事例としては、2016年の欧州連合(EU)離脱を決めた英国民投票や、同年のトランプ氏が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を破った大統領選などが挙げられる。

油断は禁物

事情に詳しい関係者の話では、ある米大手銀行は大統領選に向け、予想される顧客の需要増に対処するため準備したニューヨークのトレーディング部門を、夜間対応のチームが補完する態勢を整えつつある。

インタビュー
現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ「日本のお笑い」に挑むのか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、方向感欠く取引 来週の日銀

ビジネス

米国株式市場=3指数下落、AIバブル懸念でハイテク

ビジネス

FRB「雇用と物価の板挟み」、今週の利下げ支持=S

ワールド

EU、ロシア中銀資産の無期限凍結で合意 ウクライナ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中