イランがイスラエルに報復できる手段は限られているが「何もしないという意味ではない」
Iran Faced With 'Bad Choices' After Israel Wipes Out Hezbollah, Hamas Chiefs
イランにとっての選択肢のひとつは戦争を始めることだが、それはイスラエルによる大規模な反撃を引き起こすだろう。国際的な取り組みでガザやレバノンの紛争が収まるのを期待すればいいのだが、戦闘の勢いは衰えそうもない。
イランが、イエメンの反政府武装勢力フーシ派やシリアに駐留する民兵組織など、自らの代理勢力の残存戦力を動員しようとする可能性もあるが、ナスララの死後、ここには「指揮能力の不在」という深刻な問題がある、とアジジは言う。
レバノンのシーア派世俗政党アマル運動から派生したヒズボラは、イランと同盟したことで、イスラエルにとって安全保障上の大きな脅威へと変わった。
ナスララの下で、ヒズボラは長距離ミサイルやロケット弾などの兵器を手に入れ、その軍事力はレバノン軍を凌駕した。
シリアで内戦が勃発すると、ナスララはイランの同盟国であるシリアのバシャル・アサド大統領のために軍を派遣し、ハマス、フーシ派、イラクの民兵組織を束ねるイランの代理勢力のネットワークにおけるリーダーの地位を築いた。
シリアもイラン離れの可能性
イランはイスラエルやその同盟国との緊張をエスカレートさせることにほとんど関心がなく、最後に残ったわずかな抑止力も、自己保存を優先するうちに失ってしまう可能性がある、とイスラエルの元情報将校アビ・メラメドは主張する。
ヒズボラはアサド政権の主要な支持勢力であることから、27日の攻撃の影響はシリアにも及ぶだろう、とメラメドは言う。
「シリアの独裁者、アサドの立場は、反政府勢力に対してますます弱くなる可能性がある。アサドはイランの影響下から距離を置き、イランの野望を抑えようとする他のアラブ諸国との緊密な関係を模索するようになるかもしれない」

アマゾンに飛びます
2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら