最新記事
軍事

射程距離が無限というロシア新型巡航ミサイル「ブレベスニク」、配備地点はモスクワ北475キロか

2024年9月3日(火)11時04分
ロシアの原子力巡航ミサイルの配備地点

米国の2人の研究者が、ロシアが開発中とされていた原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の配備地点とみられる場所を特定した。画像はロシアのボログダにある、原子力巡航ミサイルの配備地点とされる場所。提供画像。ロイターが8月27日入手(2024年 ロイター/Planet Labs PBC)

米国の2人の研究者が、ロシアが開発中とされていた原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の配備地点とみられる場所を特定した。

彼らによると、近年試験を続けてきたブレベスニクが実戦配備段階に入ってきていることが分かるという。

北大西洋条約機構(NATO)が「SSC-X-9スカイフォール」と呼ぶブレベスニクは、事実上射程距離が無限で、米国のミサイル防衛網をすり抜けることができるため、プーチン大統領は「無敵」の兵器と自賛する。ただ西側の専門家の一部からはその性能について疑いの声も出ている。

2人の研究者は、プラネット・ラブスによる7月26日付の衛星画像を利用し、首都モスクワの北475キロにある核弾頭貯蔵施設の隣にある建設現場が、恐らくブレベスニクの配備場所だと突き止めた。

研究者の1人、デッカー・エベレス氏はこの衛星画像を踏まえ、9つのミサイル発射台が建設されていると判定。ミサイルと関連部品を供給する建物や核弾頭貯蔵施設に隣接するこの地点が現在ブレベスニクを配備している唯一の大規模な固定施設だと分析した。

エベレス氏の依頼で衛星画像の検証を行った研究者のジェフリー・ルイス氏も、エベレス氏の見解に同意し、この一連の場所には従来とは非常に異なる特徴がある点から、ロシアがブレベスニクを配備しているのは間違いないと述べた。

Jonathan Landay [ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日米関税協議、「一致点見いだせていない」と赤沢氏 

ワールド

米中、9日にロンドンで通商協議 トランプ氏が発表

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、雇用統計受け利下げ急がずと

ワールド

米、中国の原発向け関連機器の輸出許可を停止=関係筋
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが、今どきの高齢女性の姿
  • 2
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 3
    脳内スイッチを入れる「ドーパミン習慣」とは?...「朝の1杯」と「心地よい運動」の使い方
  • 4
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 5
    壁に「巨大な穴」が...ペットカメラが記録した「犯行…
  • 6
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 7
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 8
    ガザに向かうグレタ・トゥーンベリの支援船から救難…
  • 9
    ウーバーは絶体絶命か...テスラの自動運転「ロボタク…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「銀」の産出量が多い国はどこ?
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 7
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 8
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 9
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 10
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中