最新記事
日本政治

岸田続投を占う日本政治における2つの「サバイバル指標」と2つの「起死回生策」

Can Kishida Hold On?

2024年8月6日(火)20時20分
シャムシャド・A・カーン(ビルラ技術科学大学ピラニ校助教)

日本のメディアは、高市は立候補に必要な20人の推薦人を集めるのが難しいのではないかと報じている。これに対して河野は、ソーシャルメディアや一般の党員の間で人気があり、岸田にとってより現実的な脅威になりそうだ。

ただ、河野はデジタル相として、マイナンバーカードの取得推進策や、健康保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化する案が国民から大きく批判され、人気を落とした。

それでも河野は、麻生派の中で支持を広げて、前回の弱点だった議員票の拡大を目指している。


石破は党内支持がカギ

石破は、ほぼ全ての世論調査で「次の首相」として最も期待されており、正式発表はしていないが、本人も5回目となる総裁選出馬に意欲を示している。

ただ、石破は型破りな言動ゆえに、昔から党幹部に嫌われてきた。このため今回、石破は菅など党幹部との会合を重ねて、党内の支持固めに奔走している。

こうした環境の中で、岸田も前任者の菅のように、総裁選への立候補を断念するのか。

それはなさそうだ。岸田が既に全国の党支部を訪問しているのは、総裁選に向けた布石と解釈できる。ひとたび立候補したら、「やり残した仕事をやり遂げるチャンスを与えてほしい」と訴えるかもしれない。

国民の間では物価高に批判があるが、日本を30年ぶりにデフレから脱却させた「偉業」をアピールする可能性もある。

歴史は岸田に有利であることを示している。自民党の総裁選で現職の総裁が負けることは、めったにない。

派閥解体により、派閥(と元派閥)による支持候補の締め付けも緩くなった。また、複数の議員が立候補すれば、前回のような決選投票にもつれ込む可能性が高まる。その顔合わせが岸田と石破となれば、議員の間で支持が高い岸田が有利になるだろう。

誰も出馬表明すらしていない段階で、次の自民党総裁選で誰が勝利するか推測するのは時期尚早だ。だが、大いに注目に値すべき選挙になることは間違いない。

From thediplomat.com

ニューズウィーク日本版 トランプの大誤算
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月14号(4月7日発売)は「トランプの大誤算」特集。国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米韓空軍、10日から2週間の合同演習 次世代機も参

ビジネス

EUの認証変更案、米製大型ピックアップ販売を阻害も

ワールド

世銀、26年の中南米成長率予測を2.1%に下方修正

ワールド

仏大統領、米イラン首脳と電話 レバノンでの停戦順守
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 4
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 5
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 6
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 7
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 8
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 9
    アメリカとイランが2週間の停戦で合意...ホルムズ海…
  • 10
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 5
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 9
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 10
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中