各地の「イランの民兵」が、はじめて対イスラエルの合同軍事作戦を実施した
だが、その一方で、アンサール・アッラーとイラク・イスラーム抵抗を除く「イランの民兵」、あるいは「抵抗枢軸」は、イスラエルに対して統合的な軍事攻撃を行おうとしてはいない。
ヒズブッラーは、5月31日のレバノン南部に対するイスラエル軍の爆撃で女性や救急隊員が殺害されたことへの報復として、6月1日にはイスラエル軍のヘルメス900無人航空機を撃墜するなどして攻撃を強め、対するイスラエル軍も6月3日にヒズブッラーの増強部隊のアリー・フサイン・サブラを暗殺するなどして対抗していた。だが、6月6日に入ると、ヒズブッラーは、紛争全体がエスカレートするのを嫌うかのようにイスラエル北部への攻撃の強度を若干緩和した。
シリア政府も、その武力の矛先を、イスラエルではなく、イスラーム国に向けることで、不関与の姿勢を継続しようとしている。
シリア領内では、ロシア軍が6月に入ってから、米国の占領下にあるヒムス県のタンフ国境通行所一帯地域、通称55キロ地帯からヒムス県やダイル・ザウル県の奥地に潜入していた「テロリスト」の基地を破壊したとの発表を繰り返すようになっていた。6月6日、ロシア軍の支援を受けるスハイル・ハサン准将率いるシリア軍第25特殊任務師団や、バッシャール・アサド大統領の弟のマーヒル・アサド准将が実質司令官を務める第4(機甲)師団が、ロシア軍の航空支援を受けて、55キロ地帯に至る南東部砂漠地帯でイスラーム国の掃討を目的とした大規模作戦を開始した。
イスラエルがガザ地区においてハマースを無力化するまで、攻撃を停止することはなく、また、イスラエルに武力をもって対峙する唯一の勢力である「イランの民兵」も、欧米諸国で戦闘停止を訴える活動家も、攻撃を抑止する能力を持たない、という焦燥感は、専門家の間では半ば常識となっている。
こうしたなかで、「イランの民兵」は、一方でイスラエルに対する強硬姿勢を維持しつつ、他方でハマース・イスラエル衝突後を見据えた抵抗闘争の継続のありようを模索しなければならない。イスラエルへの敗北を印象づけるような全面対決は、こうした中長期的戦略には資さないのである。

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