最新記事
メキシコ

メキシコ初の女性大統領は、気候科学者で前メキシコ市長のシェインバウム氏 現政権の路線継承

2024年6月3日(月)20時33分
メキシコのクラウディア・シェインバウム次期大統領

6月2日、メキシコでロペスオブラドール大統領の任期満了に伴う大統領選が実施され、与党・国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(写真)が地滑り的な勝利を収めた。写真は3日、メキシコ市で撮影(2024年 ロイター/Raquel Cunha)

2日投票のメキシコ大統領選挙は、与党・国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(61)が勝利した。就任は10月1日でメキシコ初の女性大統領が誕生する。

選管当局の抽出速報集計によると、気候科学者でもあるシェインバウム氏は58.3─60.7%と、メキシコの民主主義史上最高の得票率となる勢いだ。

野党候補のソチル・ガルベス上院議員は26.6─28.6%の得票率にとどまり、敗北を認めた。

シェインバウム氏は支持者を前に「共和国200年で初の女性大統領になる」と勝利宣言。財政的責任を果たし、中央銀行の自主性を尊重すると表明した。またロペスオブラドール大統領を「メキシコをより良い方向に変えた、並外れたユニークな人物」と呼んで謝意を表した。

ロペスオブラドール大統領は貧困対策に取り組み、通貨ペソ上昇や低失業率を実現した。同氏の政策路線をシェインバウム氏は継承する方針だが、アナリストは財政赤字が膨らみ、成長が低迷する中では難しいとみている。ただ議会選では上下両院で与党とその連合会派が過半数を獲得する見込みで次期大統領の後ろ盾となりそうだ。

シェインバウム氏は治安改善を公約に掲げたが、具体策はほとんど示していない。アナリストからは、現政権中に組織犯罪グループが拡大し、影響力を強めたとの指摘が多い。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

午前の日経平均は続伸、米株高と円安を好感 直近の戻

ワールド

シンガポール非石油輸出、5月は前年比3.5%減 大

ビジネス

ボーイング幹部、エア・インディア本社訪問 墜落事故

ビジネス

ソフトバンクG、Tモバイル株売却で48億ドル調達=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 7
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 8
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 9
    コメ高騰の犯人はJAや買い占めではなく...日本に根…
  • 10
    「そっと触れただけなのに...」客席乗務員から「辱め…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中