最新記事
中東

ハマス、ガザ休戦案受け入れ イスラエルはラファ攻撃実行

2024年5月7日(火)09時55分
ロイター
パレスチナ地区ガザ

イスラム組織ハマスは6日、イスラエル軍との戦闘が続くパレスチナ地区ガザでの休戦案を受け入れると発表した。写真はガザで撮影(2024年 ロイター/Doaa al Baz)

イスラム組織ハマスは6日、イスラエル軍との戦闘が続くパレスチナ地区ガザでの休戦案を受け入れると発表した。一方、イスラエル側は、受け入れられない要素が含まれるとし、合意には至っていないと述べた。

ハマスは声明で、最高指導者ハニヤ氏が戦闘休止や人質解放に関する交渉の仲介役を務めるエジプトとカタールに対し、休戦案受け入れると伝えたと明らかにした。

 

イスラエル当局者は、ハマスが受け入れたのはエジプトが提案した内容が「弱められた」もので、イスラエルが受け入れることができない「広範囲に及ぶ」決定が含まれると述べた。

「イスラエルが合意を拒否する側であるように見せかけるための策略のようだ」という認識も示した。

しかし、交渉に近い筋によると、ハマスが受け入れた休戦案は、イスラエルが4月末に同意した案と実質的に同じ内容という。

米国務省のミラー報道官氏は、ハマス側の回答について、同盟国と数時間以内に協議するとし、合意は「絶対に達成可能」と述べた。

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「人質の解放と6週間の停戦を実現し、人道支援を強化したい」とし、合意にこぎ着けることが「確実に最良の結果」になるという認識を示した。

こうした中、イスラエル軍はガザ南部ラファで空爆を実施。ハマスによる休戦案受け入れがラファで予定される攻撃に影響するかという質問に対し、イスラエル軍のハガリ報道官は、人質解放に向けたあらゆる提案を検討するとしつつも、「ガザにおける軍事作戦を並行して実施し、継続する」と応じた。

バイデン米大統領は6日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、ラファ侵攻に反対する立場を改めて表明。

ネタニヤフ首相は、ハマスに対し人質解放を求める圧力を強めるため、ラファでの作戦継続を閣議で承認したと説明。また、ハマスの提案はイスラエルの要求を満たすには程遠いとしながらも、交渉に代表団を派遣する方針も表明した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 Newsweek Exclusive 昭和100年
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月12日/19日号(8月5日発売)は「Newsweek Exclusive 昭和100年」特集。現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:イラク国民、電力網不安定で太陽光発電に転

ワールド

半導体への関税率、EUに「劣後しないこと」を今回の

ワールド

米政権、ハーバード大の特許権没収も 義務違反と主張

ビジネス

中国CPI、7月は前年比横ばい PPI予想より大幅
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 3
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中印のジェネリック潰し
  • 4
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 5
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 10
    メーガン妃の「盗作疑惑」...「1点」と語ったパメラ・…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中