最新記事
ウクライナ戦争

アフリカでも...ウクライナのドローンが、スーダンでロシア傭兵の車両3台を爆撃 黒煙上がる「記録映像」が公開

Ukrainian Drones Shown Hunting Russian Mercenaries in Africa

2024年2月6日(火)21時10分
イザベル・ヴァン・ブリューゲン
ドローンを操作するウクライナ兵

ドローンを操作するウクライナ兵(2023年3月8日、ドネツク州チャシフ・ヤル近郊) Stringer-REUTERS

<ウクライナ英字紙「キーウ・ポスト」が入手した、スーダンで撮影されたとみられる動画を公開>

ウクライナ軍は、アフリカのスーダンでロシアの傭兵を攻撃する作戦を数カ月にわたって実施しており、その武器にドローン(無人機)を使用していることを示す新たな映像が公開された。

【動画】ウクライナのドローン、スーダンでロシア傭兵の車両3台を爆破

キーウ・ポスト紙が先月30日に公開した1分ほどの動画は、ウクライナの特殊部隊にいる情報提供者から得たものだという。映像はスーダン国内でここ数週間のうちに撮影されたもので、具体的な撮影場所は明かされていないが、ウクライナのドローンがロシア傭兵の異なる3台の車両をそれぞれ別の攻撃で仕留める様子を映したものだと同紙は述べている。

特殊部隊に所属しているとされる情報提供者は同紙に対し、「スーダンにおけるロシアの傭兵と現地テロリストのパートナーたちを排除する取り組みは、ウクライナの特殊部隊によるものである可能性が高い」と話した。

ウクライナはスーダンでの攻撃を認めていないが、キーウ・ポストの報道によれば、ウクライナ軍は数カ月前からスーダンで活動しているという。本誌はロシア外務省とウクライナ外務省、およびスーダンの関係当局に電子メールでコメントを求めている。

キーウ・ポストはウクライナの安全保障・国防分野の情報筋の話を引用し、「この動画に映っているのはおそらくウクライナ国防省情報総局の特殊部隊の仕事だ」と伝えている。同人物によると、スーダンにいる民間軍事会社ワグネルの残党のほか、「現地のテロリストとロシアの特殊部隊」を「一掃」するための作戦が進行中だという。

2023年9月には、CNNの取材により、スーダンの首都近くで起きた一連のドローン攻撃と地上作戦の背後にウクライナの特殊部隊がいる公算が大きいことが明らかになった。この攻撃の標的になったスーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は、ワグネルの支援を受けているとみられている。

米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は2023年9月の分析のなかで、さまざまな情報筋が主張していることとして、故エフゲニー・プリゴジンの率いていたワグネルが、リビアを通じて、民政移管をめぐって争うスーダンの準軍事組織とその指導者モハメド・ハムダン・ダガロに軍事支援や装備を提供していると述べた。

「国際的な観測筋によれば、スーダンにおけるワグネルの主要な目的は、アフリカ3位の生産量を誇るスーダンの金をロシア政府が妨害なく利用できるようにすること、ウクライナでの戦争の資金を得ること、民政を回復することによってのみ可能となるポートスーダンへの海軍基地の建設にあるとされる」

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


座談会
「アフリカでビジネスをする」の理想と現実...国際協力銀行(JBIC)若手職員が語る体験談
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英GSK、対米300億ドル投資を計画 医薬品関税に

ワールド

ロシア、「サハリン1」巡り米国と協議深める用意=外

ビジネス

ベン&ジェリーズ共同創業者が退任、親会社ユニリーバ

ビジネス

NXHD、通期業績予想を再び下方修正 日通の希望退
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 9
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中