最新記事
ウクライナ

6機の無人艇が黒海艦隊の軍艦を沈めた連携プレーの詳細映像をウクライナが公開

Crimea 'Trap' To Sink Russian Warship Revealed in Ukraine Sea Drones Video

2024年2月5日(月)16時22分
イザベル・ファン・ブリューゲン

遠隔でドローンを操作するオペレーター(写真は2月2日、バフムト近くの前線) REUTERS/Inna Varenytsia

<ロシア支配下のクリミア半島で停泊中の軍艦がドローン攻撃で沈没する動画をウクライナ軍が公開。ウクライナメディアや評論家が作戦の成功を称えている>

ロシアの実効支配下にあるクリミア半島近くで、1月31日の夜にウクライナ軍のドローンがロシア軍の軍艦にステルス攻撃を仕掛け、破壊した様子を映した動画が、ウクライナ政府によって公開された。

【動画】6機の無人艇が黒海艦隊の軍艦を連携プレーで沈めた神映像

ウクライナ国防省は、クリミア半島南部のドヌズラフ湾でロシアのミサイル搭載艦「イワノベツ」を6機のドローンが暗闇のなかで攻撃する瞬間を映した映像を公開した。ウクライナ国防省情報総局のキーロ・ブダノフ局長は、「ウォー・ゾーン」誌に対し、同艦は6機の無人艇マグラV5海上ドローンによる攻撃で「黒海の底に沈められた」と語った。

ウクライナ政府によると、この作戦はウクライナの特殊部隊グループ13の兵士によって実行された。

 

2分間の映像は、数カ所から撮影されているように見えることからして、ウクライナ軍は攻撃に複数のマグラ・ドローンを使用したようだ。

ブダノフによれば、1月31日夜から2月1日にかけての作戦の過程で、グループ13特殊部隊はドヌズラフ湾襲撃の際にイワノベツを破壊するという計画を立て、実行に移した。

「標的となった艦艇を破壊する際、ドローンが発射した6発の直撃弾が船体に命中、船は船尾から沈没した。現在までの情報によると、敵が行った捜索救助活動は成功しなかった」とブダノフは述べた。

標的はロシア黒海艦隊

地元メディアによると、ウクライナが開発した無人艇マグラ V5ドローンは全長5.5メートル、幅1.5メートルで、さまざまな任務をこなすことができる。そのなかには監視、偵察、パトロール、捜索救助、機雷除去、海上警備、戦闘といった活動が含まれる。

ロシアの黒海艦隊は、ウラジーミル・プーチン大統領による2014年のクリミア併合を覆そうとするウクライナの標的となっている。クリミア半島は、ウクライナ南部におけるロシア軍の中心的な兵站拠点として機能している。

ロシア治安部隊の内部情報を得ていると称するテレグラム・チャンネル「VChK-OGPU」は2月1日、イワノベツへの攻撃について報じた。「全長56メートルのこの艦船は、ドヌズラフ湾の入り口から9キロ離れた、黒海地方のオクネフカ村付近で罠にかかった」

テレグラム・チャンネルVoenkor Kotenok Zを運営するロシアの従軍記者兼ブロガー、アナリストのユーリ・コテノクは、海軍のドローン3機が艦船を攻撃したという見方を示した。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる

ビジネス

アルコア、第2四半期の受注は好調 関税の影響まだ見

ワールド

英シュローダー、第1四半期は98億ドル流出 中国合

ビジネス

見通し実現なら利上げ、米関税次第でシナリオは変化=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中