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「戦闘に勝って戦争に負ける」民間人の犠牲拡大に米政府が戦争遂行への3つの疑問をイスラエルに提起

HOW MANY IS TOO MANY?

2024年1月15日(月)11時35分
ウィリアム・アーキン(ジャーナリスト、元米陸軍情報分析官)
ガザ戦争の民間人犠牲者、その「不都合な真実」を追う

イスラエル軍による空爆の犠牲者を悼む人々にとって「容認可能」な数などない(昨年12月、ガザ) AHMAD HASABALLAH/GETTY IMAGES

<人口密集地での戦争で無差別・大量破壊攻撃はどこまで正当化されるのか? イスラエルとアメリカの間に存在する作成行動への決定的な違いも見えてきた>

今回の対ハマス戦争では、パレスチナ側の民間人死傷者数が最大の争点となってきた。

今や世界中がイスラエルを非難している。

国連のアントニオ・グテレス事務総長は「民間人の死傷者数は驚くべきで、とても受け入れられない」と述べた。

ジョー・バイデン米大統領も昨年12月12日に、イスラエルはアメリカの支援と欧州各国の支持を得ているが「無差別爆撃の継続でその支持を失い始めている」と警告した。

確かにパレスチナ側の死者は桁違いに多く、民間人が意図的に標的とされているのなら戦争犯罪だ、いやジェノサイド(集団虐殺)だという声も上がっている。

各国政府の声明やメディアの報道も、イスラエルは民間人の命など気にせずに病院や学校、難民キャンプなどを攻撃しているという印象を強めている。

もしもイスラエルの攻撃が無差別で、あるいは故意に民間人を標的としているのなら紛れもなく戦争犯罪だ。

しかし、そういう事実はない。

人命の損失を何人なら容認できるかと算定するのは不毛なことだし、ガザ地区の悲惨な現状を見れば即時停戦を求める声が上がるのも無理はない。

しかし軍隊という組織は常に、民間人の犠牲と軍事的な獲得目標をはかりにかけて行動するものだ。

では、民間人に過大な損失を与えてはならないとする「均衡性原則」に照らして、現在のガザ地区における民間人の死傷者は本当に多すぎるのだろうか。

この疑問に答えるため、本誌はイスラエル軍と米軍の現役・退役将校十数人に話を聞いた。

匿名を条件としたので、みんな率直に語ってくれた。この戦争の遂行に対する批判も聞こえてきた。

ガザの死傷者数は確かに多い。

だが本誌の入手したイスラエル軍の攻撃に関する新たなデータを見ると、必ずしも不均衡とは言えないようだ。

攻撃に用いられた兵器の数、標的の数、ハマスという組織の性格、ガザ地区の人口密度といった国際法上の尺度に照らせば、必ずしも不均衡ではなさそうだ。

この見解には、イスラエル軍の行動の多くに批判的な米軍関係者も同意している。

本誌はイスラエルとアメリカの軍隊間に存在する決定的な違いにも気付いた。

イスラエル側が個々の作戦行動における国際法の遵守を気にするのに対し、アメリカ側は結果、つまり攻撃によってガザ地区がどうなったかを注視している。

「問題の一部はイスラエル側の傲慢にある」と言ったのは、バイデン政権での検討作業やイスラエル側との協議に携わった米空軍の上級将校だ。

「たとえ個々の攻撃は正当化できても、ここまでの破壊をやったら広報戦では勝てない」

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