最新記事
中東

ガザ紛争「転移する」と警告、中東歴訪中の米国務長官...死者は計2万2835人、イスラエルは戦闘継続強調

2024年1月8日(月)13時15分
ロイター
イスラエルの対空防衛システム「アイアンドーム」

中東歴訪中のブリンケン米国務長官は7日、パレスチナ自治区ガザの紛争について、和平に向けた協調的な努力がなければ地域全体に「転移」する恐れがあると警鐘を鳴らした。写真はガザ地区から発射されたロケット弾を迎撃するイスラエルの対空防衛システム「アイアンドーム」。イスラエルのアシュケロンで撮影(2024年 ロイター/Amir Cohen)

中東歴訪中のブリンケン米国務長官は7日、パレスチナ自治区ガザの紛争について、和平に向けた協調的な努力がなければ地域全体に「転移」する恐れがあると警鐘を鳴らした。

ガザやヨルダン川西岸からのパレスチナ人強制移住に反対する米国の立場も強調した。

ブリンケン氏はこの日、ヨルダンとカタールを訪問。ドーハで開いた記者会見で「この紛争は容易に転移する可能性があり、さらなる不安や苦しみを生み出しかねない」と述べた。

ヨルダンのアブドラ国王は、イスラエルに対する米国の影響力を使って即時停戦を迫るよう要求。イスラエルの軍事作戦継続による「破滅的な影響」を警告した。

カタール当局者とブリンケン氏の会談では、ハマスが依然拘束しているとみられる人質の解放に向けた努力についても協議した。カタールのムハンマド首相は、イスラエルによる今月のハマス幹部殺害が交渉仲介に影響していると述べた。

一方、イスラエルのネタニヤフ首相は7日の閣議で「ハマスの排除、人質の全員帰還、ガザがイスラエルの脅威でなくなることを確実にするという全ての目標を達成するまで戦争を停止してはならない。敵にも味方にも言う」と強調した。

ガザ保健当局は7日、過去24時間に111人が死亡し、戦闘開始からの死者は2万2835人に達したと発表した。

ガザ南部ではラファ近郊でイスラエル軍が車を空爆し、パレスチナ人記者2人が死亡した。保健当局や記者らの労働組合が明らかにした。

ヨルダン川西岸でも衝突が続いた。イスラエル軍は部隊を襲撃したパレスチナ人武装勢力を空爆し、現地の保健当局によるとパレスチナ人7人が死亡した。

中国側のコメントは得られていない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 中国EVと未来戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月14日号(10月7日発売)は「中国EVと未来戦争」特集。バッテリーやセンサーなどEV技術で今や世界をリードする中国が戦争でもアメリカに勝つ日

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


日本企業
タイミーが仕掛ける「一次産業革命」とは? 農家の「攻めの経営」を後押しするスキマバイトの可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ハマス、解放者名簿交換と表明 ネタニヤフ氏側近が和

ワールド

タイ中銀、政策金利据え置き 米関税影響見据え政策温

ビジネス

世界のIPO、9月は前年比3.5倍の213億ドル=

ビジネス

世界のM&A、9月は前年比25%増の3652億ドル
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示す新たなグレーゾーン戦略
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女性を襲った「まさかの事件」に警察官たちも爆笑
  • 4
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 7
    ヒゲワシの巣で「貴重なお宝」を次々発見...700年前…
  • 8
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 9
    「それって、死体?...」新婚旅行中の男性のビデオに…
  • 10
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 9
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 10
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中