最新記事
中東

イラン・コッズ部隊司令官の追悼式典中に爆発、約100人死亡 「テロ攻撃」と当局

2024年1月4日(木)11時14分
ロイター
イラン革命防衛隊「コッズ部隊」の故ソレイマニ司令官のプラカード

イラン南東部ケルマンで爆発が2回あり、国営テレビによると、103人が死亡した。3日、テヘランで撮影(2024年 ロイター/Nazanin Tabatabaee/WANA (West Asia News Agency) via REUTERS)

イラン南東部ケルマンで3日、爆発が2回あり、エイノラヒ保健相によると、95人が死亡、211人が負傷した。政府当局者は「テロリストによる攻撃」という認識を示している。犯行声明は出ていない。

国営テレビによると、2020年に米軍の無人機攻撃で殺害されたイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の墓のある墓地で行われていた追悼式典中に爆発が発生した。1回目の爆発から20分後に2回目の爆発があったという。

地元当局者は国営イラン通信(IRNA)に対し、「墓地に通じる道沿いに仕掛けられた爆発物2つがテロリストの遠隔操作によって爆発した」と語った。

ライシ大統領は「凶悪かつ非人道的な犯罪」と非難した。国営イラン通信(IRNA)によると、ライシ大統領は事件を受け、4日に予定していたトルコ訪問を中止した。

最高権力者ハメネイ師は声明で「間違いなく厳しい対応が取られる」と警告したほか、バヒディ内務相も「イラン治安部隊による強力かつ断固たる対応」が取られると言明した。

他国からも非難の声が上がり、ロシアのプーチン大統領は、イラン指導部に哀悼の意を表した上で、罪のない人々に対する攻撃は残虐で衝撃的とし、「いかなるテロ」も非難すると述べた。ロシア通信社RIAノーボスチがロシア大統領府(クレムリン)の声明を報じた。

こうした中、コッズ部隊のガアニ司令官は、爆発が「シオニスト政権(イスラエル)と米国の工作員」によるものと主張。国営テレビは、群衆が夜間に墓地に集まり、「イスラエルに死を」、「アメリカに死を」と叫ぶ映像を放映した。

米国務省のミラー報道官は記者会見で、米国はいかなる形でもイランの爆発に関与しておらず、イスラエルが関与していると信じる理由もないと述べた。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も、米国はイスラエルが爆発の背後にいた兆候を確認していないと述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 台湾有事 そのとき世界は、日本は
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月26日号(8月19日発売)は「台湾有事 そのとき世界は、日本は」特集。中国の圧力とアメリカの「変心」に強まる台湾の危機感。東アジア最大のリスクを考える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


展覧会
「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

訂正-午後3時のドルは147円後半でもみ合い、ボラ

ビジネス

ソフトバンクG、不振のインテルに20億ドル出資 米

ビジネス

S&P、米信用格付けを据え置き 「関税収入が財政赤

ビジネス

インタビュー:円安是正へ日銀利上げ必要、財政規律も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    AIはもう「限界」なのか?――巨額投資の8割が失敗する…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    アラスカ首脳会談は「国辱」、トランプはまたプーチ…
  • 9
    「これからはインドだ!」は本当か?日本企業が知っ…
  • 10
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 8
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 9
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 10
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中