ニュース速報
ビジネス

野村HD、豪マッコーリーの米欧資産運用部門買収を完了 1兆ドル目標へ前進

2025年12月01日(月)09時45分

写真は野村ホールディングスのロゴ。2015年12月、都内で撮影。REUTERS/Toru Hanai

Miho Uranaka

[東京 1日 ロイター] - 野村ホールディングスは1日、オーストラリアのマッコーリー・グループから米国および欧州のパブリック・アセットマネジメント事業の全株式を取得し、買収を完了したと発表した。取得額は約18億ドル(約2814億円)。米欧での運用力と販売基盤を取り込む。

買収後の野村HDの運用資産残高(AUM)は約8460億ドル(約132兆円)となり、グループが中長期的な目標として掲げる1兆ドル(約150兆円)に一段と近づいた。

米国における自社の運用中核会社と統合し、新たに「ノムラ・アセットマネジメント・インターナショナル」を設立。ニューヨークとフィラデルフィアを主要拠点とする。

買収した事業は主に株式や債券を運用し、10月末の運用資産残高(AUM)は約1660億ドル。同日公表した投資家向け説明会の資料によると、2026年3月期の見込みでは、買収関連の一時費用を除くEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は約2億ドルを見込む。

今後は米国で富裕層ビジネスを強化するほか、アクティブETFの拡充やプライベート・クレジット分野の運用能力を高め、幅広い顧客ニーズを取り込む。野村アセットマネジメント(日本・アジア・欧州)とのクロスセルや野村のホールセール部門との連携を通じて、買収シナジーの最大化を図る方針だ。インオーガニックなボルトオンタイプの可能性も視野に入れている。

野村HDは、マッコーリーと商品販売や投資戦略の共同開発に関する戦略的パートナーシップも締結。共同ワーキンググループを設け、新たなソリューション開発などを目指している。

奥田健太郎グループCEOは「本取引の完了は2030年に向けた経営ビジョンへの重要な一歩」とコメントした。野村HDは市場環境の変動に左右されにくく、資本効率の改善にもつながる資産運用ビジネスを、成長戦略の柱の一つに位置づけている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ローマ教皇「レバノンは平和努力継続を」、初外遊で指

ビジネス

法人企業統計、7─9月期設備投資は前年比2.9%増

ビジネス

ハセットNEC委員長、次期FRB議長に指名なら「喜

ワールド

英財務相、予算案巡り誤解招いたとの批判退ける 野党
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批判殺到...「悪意あるパクリ」か「言いがかり」か
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    「世界で最も平等な国」ノルウェーを支える「富裕税…
  • 6
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中